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 移動通信関連の業界団体GSMA(GSM Association)は2020年7月6日、アジア太平洋地区の移動通信事業者(キャリア)が2020年から2025年までにネットワーク関連に4000億米ドルを投資し、そのうち3310億米ドルが5G展開に使われるとの調査結果を含む最新レポート「The Mobile Economy Asia Pacfic 2020」を発行した(GSMAのニュースリリース)。以下はその概要となる。

 ・2019年、移動通信技術やサービスがこの地域の国々にもたらした生産性向上と効率改善により、GDPの5.3%に当たる1.6兆米ドルの経済効果を生み出した。約1800万件の直接的、間接的な雇用も発生し、公的機関への納税額も1800億米ドル増加した。

2019年のアジア太平洋地域における移動通信関連経済効果は1.6兆米ドル(GDPの5.3%)
2019年のアジア太平洋地域における移動通信関連経済効果は1.6兆米ドル(GDPの5.3%)
出所:GSMA
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2019年のアジア太平洋地域における新たな直接的・間接的雇用件数は約1800万件
2019年のアジア太平洋地域における新たな直接的・間接的雇用件数は約1800万件
出所:GSMA
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2019年のアジア太平洋地域の移動通信関連納税額は1800億米ドル
2019年のアジア太平洋地域の移動通信関連納税額は1800億米ドル
出所:GSMA
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 ・2020年から2025年の間に、アジア太平洋地域の移動通信事業者によるネットワーク投資額は4000億米ドル超となる。そのうち8割に当たる3310億米ドルが5Gサービス展開に向けられる。

2020~2025年のアジア太平洋地域の移動通信関連投資額
2020~2025年のアジア太平洋地域の移動通信関連投資額
出所:GSMA
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 ・アジア太平洋地域には、世界中で最も進んだ5G市場が複数存在する。2020年3月に5G商用サービスを開始した日本を含め、9つの市場が5G商用サービスを展開しているほか、12以上の地域でサービス計画の正式発表がなされている。

アジア太平洋地域の5G商用サービス開始状況
アジア太平洋地域の5G商用サービス開始状況
出所:GSMA
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 ・4Gは、バングラデシュ、インド、インドネシア、パキスタンなどの地域で、個人認証やデジタル商取引、支払いや将来のデジタル社会実現に向けたエコシステム用途を中心に、今後も継続利用される。

 ・2019年末の時点で、アジア太平洋地域の移動通信サービス契約者は28億人で、人口の66%を占める。2014からの新規加入者は約5億人増と、世界で最も急成長を遂げ、現在は全世界の契約者の半数以上を抱えるまでになっている。今後、2025年までには2億6600万人の新規勧誘者が加わり、人口の70%となる30億人に達する。

アジア太平洋地域の移動通信サービス契約者数の推移
アジア太平洋地域の移動通信サービス契約者数の推移
出所:GSMA
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 次の6年間で、アジア太平洋地域の6億6300万人がモバイルインターネットを使い始め、025年までに利用人口は約27億人と、人口の61%を占めるようになる。

今後2025年までのアジア太平洋地域におけるモバイルインターネット新規加入者数
今後2025年までのアジア太平洋地域におけるモバイルインターネット新規加入者数
出所:GSMA
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 同リポートでは、コネクティビティーの向上が、開発途上国の生活向上やジェンダーギャップ解消といった、国連の掲げる持続可能な開発目標実現を支援していると指摘する。農業や教育、医療など改善に向けた移動通信機器やサービスの促進が、こうした目標に向けた活動を支援するとしている。

 一方で、新型コロナウィルス感染症によるアジア太平洋地域における5G成長への影響が、他の地域より大きいことにも言及。2020年の5G接続件数は前回予測より約20%下回るものになったとしながらも、移動通信関連産業に与える影響は一時的なものにとどまるとしている。

アジア太平洋地域のモバイル関連産業の収益の推移
アジア太平洋地域のモバイル関連産業の収益の推移
出所:GSMA
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 同リポートは、移動通信事業者が、新型コロナウィルス感染症への対応を支援し、より回復力の高いデジタル社会の実現に向け、投資や技術革新を行っていることを、各国政府が認識すべきだとも指摘。5Gの成長は一時的に下落するが、世界が今回の危機から回復するにつれて、長期的には、より広範囲のコネクティビティーやよりよいネットワークの実現が、消費者、企業、政府それぞれにとって優先事項となっていくとしている。

 なお、リポート全文はGSMAのサイトからダウンロードが可能である(The Mobile Economy Asia Pacfic 2020ダウンロードサイト)。