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 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は2020年7月14日、次世代6Gへの同社展望をまとめた白書「The Next Hyper-Connected Experience for All」を発表した(Samsung Electronicsのニュースリリース)。6Gの各種要件や実現が期待される新サービス、関連技術の仕様標準化に向けた研究調査状況解説など、技術的、社会的動向についても解説している。

 同社はこの6G研究を加速するため、2019年5月に先端通信研究所(Advanced Communications Research Center)を設立、今回の白書でも、早ければ2028年に6Gの仕様標準化を完了させ、商用化開始したいとしている。大規模商用開始は2030年ごろになるだろうとも予測している。

 白書では、6Gによって、生活の隅々にまで様々な接続体験が導入されるようになり、人間に加えて機械も6Gのユーザーとなるとする。6Gでは、さらに実体験に近いXR(extended reality)や高度に実物を再現するモバイルホログラム、デジタルレプリカなどのサービスが提供されるようになるとしている。

6Gの代表的なサービス例
6Gの代表的なサービス例
出所:Samsung Electronics
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 5Gの要件が主に性能面の強化だったのに対し、6Gでは、サービス実現に必要な要件として、性能に加え、アーキテクチャー、信頼性の3つのカテゴリーに分けて定義している。6Gの性能要件としては、ピーク時データレート1000Gビット/秒、無線ネットワーク通信時遅延時間100μ秒未満と、5Gからピーク時データレート50倍、遅延時間10分の1を設定している。5Gと6Gの主な性能要件の違いを図で表すと、下記のようになる。

5Gと6Gの主な性能要件の違い
5Gと6Gの主な性能要件の違い
出所:Samsung Electronics
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 6Gに向けたアーキテクチャー関連の要件としては、モバイル端末の計算能力不足による問題解決と、新しいネットワーク機器との柔軟な統合に向けた、技術開発の初期段階からのAI導入が含まれる。信頼性の面では、ユーザーデータやAI技術を広範囲に使用することで生じるセキュリティーやプライバシーの問題への対応が挙げられる。

 今回の白書では、こうした要件を満たすために不可欠な技術も紹介する。仕様標準化に向けて研究が進むこうした技術には、テラヘルツ(THz)周波数帯の活用、高周波数帯信号のカバレッジ強化に向けた新型アンテナ技術、さらに高度な双方向送受信(duplex)技術やネットワークトポロジー、周波数効率向上に向けた周波数共有やAI活用などが含まれている。

 同白書はSamsung Electronicsのサイトからダウンロード可能である(「The Next Hyper-Connected Experience for All」ダウンロードサイト)。