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 中外製薬は2020年7月22日、米国のデジタルセラピューティクス(デジタル治療)ベンチャーであるBiofourmis社と共同で、AIとウエアラブル端末を活用して痛みを評価する技術を開発すると発表した。不妊症の原因となる子宮内膜症に伴う痛みを客観的に評価する。

Empatica社のウエアラブル端末「E4」
Empatica社のウエアラブル端末「E4」
(出所:Empatica社、右写真も同)
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 ウエアラブル端末は米Empatica社の「E4」を利用する。Biofourmisが開発したAIを用いたプラットフォーム「Biovitals」を活用し、痛みの定量化のためのデータ解析や症状のモニタリングなどを実施する。開発した評価方法を検証するため、中外製薬とBiofourmisは120人以上の子宮内膜症患者を対象に米国とシンガポールで観察試験を実施する方針だ。患者の症状の把握に有用かを検証する。

 中外製薬は現在、子宮内膜症を対象とした医薬品の治験(フェーズI)を実施中。痛みを評価する技術開発が成功すれば、治験での医薬品の効果の評価に今回の技術を活用する可能性があるという。痛みは主観的な症状で他人に伝えるのが難しく、客観的な評価が課題とされる。

 子宮内膜症は、子宮内膜組織が子宮外で増殖や剥離を繰り返すことで、強い月経痛や慢性的な下腹部痛が生じる疾患で、痛みの程度は日によって変動する。20歳代から40歳代の女性の10人に1人が発症するといわれている。

 今回中外製薬と組むBiofourmisは、AI解析技術のBiovitalsプラットフォームを、循環器や呼吸器、がん、痛みの領域の治療へ応用することを目指す。同社のBiovitalsのAI解析アルゴリズムは2019年10月に、患者モニタリング用の医療機器ソフトウエアとして米FDA(食品医薬品局)から認可を受けた。