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  ジェイテクトが、部品加工の受発注マッチングサービス「ファクトリーエージェント」(以下、同サービス)の本格展開に乗り出した。同事業を手掛けていた子会社のジェイテクトFA(東京・中央)は、社名をサービス名と同じ「ファクトリーエージェント」に変更するとともに、金属加工を手がける浜野製作所(東京・墨田)と提携。JTEKTグループのネットワークを活用しながら、浜野製作所の知見をマッチングに生かし、「新たな産業クラスター」(ファクトリーエージェント)の構築を目指すとしている。

 同サービスは、メーカーや研究機関など、部品加工を依頼したい「発注者」と、加工技術を持つ「受注者」を仲介する(図1)。見積もりの依頼から候補会社の選定、見積もりの比較・選定、発注、検品、支払い手配までの一連の処理をWebサイト上で完結できる。発注者は、1回の発注依頼で3社程度から見積もりを取れる。見積もりを提出した企業とはチャットでのコミュニケーションが可能。発注後も適宜、製造工程に応じたステータス管理ができる。

図1:「ファクトリーエージェント」の概要
図1:「ファクトリーエージェント」の概要
(出所:ファクトリーエージェント)
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 登録企業数は、2019年3月現在で3000社以上。プログラムと専門家(エージェント)によるハイブリッド検索でマッチングの精度を高めている。同社が代金回収を代行するため、受注側は、町工場や中小製造業における新規取引で障害となりやすい代金回収リスクを避けられる。現状は板金・プレス加工のみ見積もりを依頼できるが、研削や切削についても順次、対応する予定だ。

 同サービスを使えば、半導体業界の発注者と自動車業界の受注工場を仲介するなど、業界の垣根を越えた調達ルートの構築が期待できる(図2)。これにより、「実力のある中小企業や町工場」(同社)に新たな需要を創出する。

図2:業界の垣根を超えたマッチングの例
図2:業界の垣根を超えたマッチングの例
(出所:ファクトリーエージェント)
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 より競争力の高い製品の開発を迫られるメーカーなどの発注者は、同サービスを利用して、競争力や独自技術を持つ仕入れ先を発掘できる。調達リスクの回避やBCP(事業継続計画)の強化も図れる。受注する中小製造業や町工場にとっては、新規顧客を開拓し、売り上げを分散できるメリットがある。自社技術を新たな分野に応用するニーズの発掘や、経営の安定化にもつながる。

 ファクトリーエージェントによると、製造業でマッチングサービスが普及しない背景に[1]根強い下請け構造、[2]IT投資・普及の遅れ、[3]言語化・数値化しにくくWebでの完結が難しい、などがある。[2]は、カスタマイズ製品が多かったり資金が足りなかったりするのが理由で、特に中小製造業や町工場で顕著だという。[3]の解決には、ものづくりとITの両面に強い人材が要る。

 そこで同サービスでは、1000社以上のグループネットワークを活用するとともに、社員の約50%以上をIT関連業界から中途採用している。ジェイテクトで製造業の基礎を学んだ後に分離独立した組織であるなど、「ベンチャーでも大企業でもないユニークなカルチャー」(ファクトリーエージェント)も強みだとしている。

 さらに同サービスの本格展開に当たっては、浜野製作所が加工現場の視点から受注先の選定を助言するなど、「製造現場の目利き力」(ファクトリーエージェント)を生かして協力していく。浜野製作所は全国の加工工場のネットワークを活用して多くの新規事業をサポートした実績を持つ。

 もともと同サービスは、2018年6月にジェイテクトの新規事業として発足した。2020年4月にジェイテクトの100%出資子会社「ジェイテクトFA」として分社化。今回の本格展開に当たり社名を変更した。