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 米Microsoft Researchは2020年8月3日(現地時間)、ゲーム開発における強化学習応用の研究プロジェクト「Project Paidia」を発表した。強化学習によって、人が行うようなゲーム操作をエージェント(AI)に学習させ、「NPC(Non Player Character)」と呼ばれるコンピューターが動かすゲーム内キャラクターの振る舞いを人に近づけることを主に目指す。米MicrosoftはMicrosoft Researchと協力し、機械学習のクラウドサービス「Azure Machine Learning」を通じて強化学習の開発環境などをゲーム開発者に提供済みだが、今回、この基盤を活用する。

 Project Paidia は、Microsoft傘下のゲーム開発会社である英Ninja Theoryと実施。同社の対戦ゲーム「Bleeding Edge」において、プレイヤーを支援するNPCの制作にProject Paidiaを利用した。同ゲームはチームで対戦するので、チームメンバーの連携具合が勝敗を大きく左右する。それだけに、Project Paidiaでは、人のプレイヤーをうまく支援するようなNPCの実現に焦点を絞っている。なお、Ninja TheoryはMicrosoft Researchと同じ英ケンブリッジにオフィスを構えており、協業に適していたとする。

Ninja Theoryの対戦ゲーム「Bleeding Edge」の映像
Ninja Theoryの対戦ゲーム「Bleeding Edge」の映像
(出典:「Game Stack Live August 2020」の公式動画をキャプチャーしたもの)
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 Project Paidia以外でも、AzureのAI技術基盤の各種機能をゲーム分野で活用している事例は少なくない。例えば、AzureのAI基盤にある「Personalizer」と呼ぶ、Webページ内における関連コンテンツの表示やレイアウトなどをパーソラナイズできる機能を利用し、Xboxのホームページでのユーザーエンゲージメントを40%向上させたとする。

 不快な画像や文言がないか、アダルト向けや人種差別的な内容ではないかなど、コンテンツをレビューできる機能「Content Moderator」を米Big Fish Gamesが利用して、同社の料理ゲーム「Let's Dish」内のチャットルームの安全性を高めたという。著名なeスポーツチーム「Cloud9」は、映像分析機能「Computer Vision」を利用して、対戦の勝率を高める方策を得る「Game Insights Platform」を開発中である。「Game of War:Fire Age」を手掛ける米Machine Zoneは、60言語以上に対応する翻訳機能「Translator」を使用しているという。