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 デジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)を手掛けるベンチャーのSave Medical(東京・中央)は2020年8月3日、大日本住友製薬と糖尿病管理指導用のアプリの共同開発契約を締結したと発表した。Save Medicalは同アプリについて国内で治験を開始しており、治験終了後に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請し、2022年度の承認取得を目指す。

 開発するアプリは2型糖尿病を対象としたもの。患者が食事や運動の内容、体重、服薬状況、血圧、血糖値をアプリに入力すると、その内容に応じて行動変容を促すメッセージが表示される。「日本の糖尿病の診療ガイドラインに沿うようにシステムを構築した」(Save Medical社長の淺野正太郎氏)。外来と外来の間に生じる生活習慣や服薬の乱れに対応し、行動変容を促すことで治療効果を得ることを目指す。記録した1カ月分などの数値をまとめてリポートする機能もあり、「これまで医師が診療の中で患者から聞き取っていた内容を短時間で把握しやすくなる。そこで浮いた時間をコミュニケーションに充てられる」(淺野氏)。

 今回の治験は200人を対象に実施する。2型糖尿病の標準治療(食事や運動療法、治療薬)を実施した群と、標準治療とアプリを併用した群を比較してアプリの安全性と有効性を確かめる。有効性は、血糖コントロールの状態を反映するHbA1cのベースラインからの変化量を評価する。

 承認申請を目指す理由についてSave Medicalの淺野氏は「ソフトウエアは治療の新しい柱になり得る。そのために安全性と有効性を示すことが重要だと考えた」と話す。「日本の医療機関や大学で糖尿病を対象にしたDTxの臨床研究が実施されエビデンスが蓄積されつつあるが、社会実装を担うプレーヤーが不在だと思い開発を進めている」(淺野氏)。

 Save Medicalと共同開発する大日本住友製薬は、糖尿病領域を重点領域の1つに位置付けており、複数の糖尿病治療薬を開発して販売している。同社は今回の共同開発費用の一部を負担する。糖尿病領域のDTxとしては、アステラス製薬が米Welldoc社のアプリである「BlueStar」について、日本や一部のアジア地域での商業化を目指している。