NTTドコモは2020年8月7日、AGCと共同開発した5G対応のガラスアンテナ「WAVEATTOCH」を、広島テレビ放送社屋内の「広島コンべンションホール」に導入すると発表した。WAVEATTOCHは、景観を損なわない透明なガラスアンテナである。窓ガラスの室内側に設置する。ドコモが同製品を実用化するのは、今回の事例が全国初だという。
WAVEATTOCHの対応周波数帯は、ドコモの5G周波数の割り当てと同じ3.6G~3.7GHzと4.5G~4.6GHzである。通信範囲は約100~200m。
取り付けるのは、広島テレビ放送社屋の1~3階を占める広島コンベンションホール(最大収容人数1600人)である。ドコモの広報担当者によると、「同製品を1枚、窓ガラスに設置する」という。4K高精細映像を活用したオンライン商談会や大規模なリモート会議、eスポーツイベントなどで活用する。ホール周辺のイベント広場「エキキターレ」での運用も見込む。ホールとエキキターレを合わせた2019年のイベント開催数は255件、集客数は16万人に上り、一帯の5G化により地域活性化したい考えだ。
直近では、同年9月5日にマツダスタジアムで催されるプロ野球ゲーム「広島東洋カープVS横浜DeNAベイスターズ」のパブリックビューイングに、同製品の5G回線を一部使用する予定だという。その他、同年秋には広島県を本拠地とするプロバスケットボールチーム「広島ドラゴンフライズ」の選手・コーチによる競技の遠隔レッスンの実証実験も実施する。