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 インドMaruti Suzuki India(マルチ・スズキ)副社長のタパン・サフ氏は、「現行の電気自動車(EV)はあまりに高価であり、インド市場では売れにくい」と指摘した。インド政府は2030年までに“EV普及率3割”を掲げているが、実現にはコスト面の壁が立ちふさがる。同社は近い将来に発売予定のEVについて、スケジュールの見直しを進めているとされる。比較的安価なハイブリッド車(HEV)を拡充することで、将来的なEVの普及につなげたい考えだ。

 駐日インド大使館が20年8月5日に開催したEV普及を目的とする会議の場で、サフ氏が言及した。インドでは乗用車の主流価格帯は70万円程度。EVの場合、例えばインドMahindra & Mahindra(マヒンドラ・アンド・マヒンドラ)の「eVerito」は航続距離を110kmに抑えているが、約130万円(95万ルピー)と高い。サフ氏は「EVとHEVはモーターなど主要部品が共通しているため、HEVを現地生産し、(EVを低コストで生産する)基盤をつくりたい」と、当面はEVよりもHEVを重視したい意向をにじませた。

 マルチ・スズキのHEV販売台数(19年時点)は「インド全体で数%程度」(同社)にとどまるものの、今後数年以内に100万台の環境対応車(EV、HEV、簡易HEV、圧縮天然ガス車)を販売する目標を掲げる。サフ氏は「インド政府に消費者への優遇策を導入してもらうことで、(グリーンカーの)価格を抑え、まずはHEVの販売台数を増やしたい」と意気込んだ。