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 NTTデータは2020年8月17日、広島大学の中野浩嗣大学院先進理工系科学研究科教授らの研究チームと共同で、組み合わせ最適化問題をGPUで高速に解く新手法「アダプティブ・バルク・サーチ」を開発したと発表した。詳細は並列処理に関する学会「ICPP」で8月20日に口頭発表する。

 アダプティブ・バルク・サーチは、二次非制約二値最適化(QUBO)問題の解を複数のGPUを使って並列で検索するもので、4個のGPUを使って1秒間に1兆を超える解を探索できるという。QUBO問題とは、nビットの変数を持つ2次式の値が最小になる各変数の組み合わせを求める問題であり、「巡回セールスマン問題」など様々な最適化問題がQUBO問題に落とし込んで解けるため、応用範囲が広い。

 QUBO問題を解く手法としては近年、磁性体を高温にしてゆっくり冷やすと形状が安定する「焼きなまし(アニーリング)」という物理現象を参考にしたアルゴリズムであるシミュレーテッドアニーリングや、その量子力学版である「量子アニーリング」が注目されている。そしてカナダのD-Wave Systemsが、量子アニーリングを実際に発生させる量子デバイスを「量子アニーリング方式の量子コンピュータ」として商用化した一方、富士通や日立製作所はシミュレーテッドアニーリング専用のASICやFPGAを開発している。今回のNTTデータの発表は、量子デバイスやASICではなくGPUを使ってQUBO問題を解こうというアプローチだと位置付けられる。GPUを使う手法は日立も「モメンタム・アニーリング」との名称で開発している。