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 理化学研究所は2020年8月24日、スーパーコンピューター「富岳」を使って空気中の飛沫の動きをシミュレーションした調査の中間結果を発表した。今回は2020年6月に報告した結果の追加という位置づけで、せきをしたときの飛沫の動きをマスクの有無で比較したり、病室やオフィスなどにおけるエアロゾルの動きをシミュレーションしたりした結果を報告した。

 マスクの有無による飛沫のシミュレーションでは、市販の不織布マスクとポリエステル、綿の手作りマスクの3種類をそれぞれ着用した場合の飛沫の動きを比較した。マスクを透過する飛沫の量は市販のマスクが最も少なく、大きさが50マイクロメートル以上の飛沫はほとんど通さなかった。シミュレーションを手掛ける神戸大学の坪倉誠教授は「市販の不織布マスクをつけて苦しい場合は、少し性能が落ちてもいいから空気の通りやすい(手作りの)ものを使う。マスクはつけることが大事だ」と話す。

 部屋の換気能力や空気の循環の状態もシミュレーションしている。あまり広くない部屋の例として取り上げた病室では、換気扇などを用いて換気した状態でのエアコンの影響をシミュレーションした。エアコンをつけていない場合、換気を始めてから8分20秒経過した時点で部屋の空気の約2割が入れ替わったのに対し、エアコンをつけた場合は約4割の空気が入れ替わった。

 今回、空気の循環の状態を調べたところ意外な結果もあった。オフィスなどに設置してあるパーテーション(間仕切り)に関して、6月の報告ではエアロゾルによる感染リスクを下げるためには1.4メートル以上のパーテーションを推奨していた。坪倉教授は「パーテーションは高ければ高いほど良いというわけではなく、1.6メートルのパーテーションでは換気を妨げてしまうため、エアロゾルによる感染リスクは高まることが分かった」と話した。理研はほかにも、広い教室や多目的ホールでのエアロゾルの動きをシミュレーションした結果を報告した。