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 ルネサス エレクトロニクスは、最大16セルのLiイオン2次電池を直列に接続した電池パック向けフロントエンドIC「ISL94216」を発売した(ニュースリリース)。同社は「バッテリー・フロント・エンド(BFF)IC」と呼ぶ。差動入力のマルチプレクサーと16ビットA-D変換器などで構成した。直列に接続した各電池セルの状態と動作環境を定期的にスキャンし、電池セルのエネルギー容量のバランス(セルバランス)を確保することなどで電池寿命を延ばすとともに致命的な故障の発生を防止する。具体的な応用先は、芝刈り機や電動カート、電動車いすなどの産業用モビリティーのほか、電動アシスト自転車や電動スクーター、電動バイク、ロボット掃除機、電動工具、パワーバンク、無停電電源装置(UPS)、蓄電システムなどである。

産業用モビリティー向け電池フロントエンドIC
産業用モビリティー向け電池フロントエンドIC
ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 使用できる電池パックの直列接続セル数は4〜16セル。電池パックの出力電圧は+48Vや+42V、+36V、+24Vなどに対応できる。ホットプラグ(ホットスワップ、活線挿抜)時の最大許容電圧は+62Vを確保した。電池セルの電圧測定誤差は±5mV、電流測定誤差は±0.2%である。ホストマイコンとの接続に向けて、I2CやSPI、Single Wireといったインターフェースを用意した。さらに4本の汎用入出力(GPIO)を備える。+3.3V出力の電圧レギュレーター回路を集積した。アイドル時の消費電流は200μA、出荷モード(SHIPモード)時は18μAとどちらも少ない。パッケージは64端子QFN。動作温度範囲は−40〜+85℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の参考単価は2.99米ドルである。

 このほか、発売した電池パック向けフロントエンドICなどを搭載したインバーター用リファレンスデザイン「48Vモビリティソリューション」を用意した。32ビットマイコン「RX23T」や、オペアンプIC「ISL28214/ISL81601」、マルチプレクサーIC「ISL84051」、LDOレギュレーターIC「ISL80410」、昇降圧型DC-DCコンバーター制御IC「ISL81601」、ハーフブリッジ回路用ドライバーIC「HIP2211」など、同社の半導体ICを15個搭載した。

 リファレンスデザインは、2つのボードからなる。モーター制御ボードとBFF/充電ボードである。これらのボードを使うことで、公称容量が25AhのLiイオン2次電池パックから給電し、1.6kW出力のインバーターを使ってモーターを駆動できる。回転数は最大5000rpmが得られるとする。同社によると、「今回のリファレンスデザインを利用すれば、産業用モビリティーなどの早期開発が可能になるとともに、部品(BOM)コストや設計工数を削減できる」という。

 このほかオプションで、Bluetooth 5対応の無線通信機能を集積した同社の32ビットマイコン「RX23W」などを載せたBluetooth制御ボードと、ワイヤレス充電レシーバーボードも用意した。