「商用車のコネクテッドサービスは今後の主要な成長分野だ。2030年までに1450億ユーロ(約18兆円)注)の価値を生むだろう」――。こう展望するのは、ドイツContinental(コンチネンタル)Head of the Commercial Vehicles & Services Business UnitのGilles Mabire氏だ(図1)。同氏は2020年9月7日、自社のオンラインイベント「Continental Commercial Vehicle Days」の基調講演に登壇し、新型コロナウイルス感染症の拡大によって打撃を受ける商用車業界での勝算を語った。

注)1ユーロ=125円換算

図1 基調講演に登壇したドイツContinental(コンチネンタル)Head of the Commercial Vehicles & Services Business UnitのGilles Mabire氏
図1 基調講演に登壇したドイツContinental(コンチネンタル)Head of the Commercial Vehicles & Services Business UnitのGilles Mabire氏
(出所:Continental)
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 Continentalが注力するのは、物流事業者の配送効率や車両稼働率を高める仕組みづくりだ。センサーや通信機器を車両に搭載することで、位置情報や稼働状況などの車両データを収集して、事業者のフリート(車群)管理を徹底する。

 収集した車両データから、輸送距離や輸送時間を最小限に抑えた経路を提案する。無駄を減らした効率的な運用を実現することで、燃料代や維持費を含めた総所有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)の削減を目指す。排ガスなど環境負荷の低減にもつなげる。

 Gilles氏は「(効果の最大化には)コネクテッドサービスの“民主化”が必要だ」と指摘する。事業者が運用する一部の車両だけではなく、全車両でサービスを利用できるようにセンサーや通信機器を導入することが重要という。これにより、車両ごとの運用効率に格差が発生することを避け、全車両でTCO削減効果の最大化を狙う。

 同氏が言う約18兆円の価値とは、TCO削減など商用車のコネクテッドサービスが生み出す効果を合計したものだ。新型コロナの影響が長期化するほど、物流業界の人手不足は深刻さを増す。運転者が減れば走らせる車両の数も減少し、事業者の収益は落ち込む。

 事業の存続をかけてコスト削減に挑む物流事業者の叫びは、Continentalにとっては収益拡大の好機となる。機器とサービスの両方を手掛けることで、商用車のコネクテッド化を後押しする。