PwCあらた有限責任監査法人は2020年9月16日、新型コロナウイルス感染拡大など事業環境の変化におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)経営の在り方に関するセミナーを報道機関向けに開いた。経営環境の変化に対応するためには、「DX推進とリスクガバナンスの両方に取り組む『DX経営ガバナンス』が必要である」とPwCあらたのシステム・プロセス・アシュアランス部の宮村和谷パートナーは話した。

 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの企業はリモートワークなど、いわゆる対処策の取り組みは進めているが、本質的なDXはなかなか進められていない」と宮村パートナーは分析する。事業継続の観点から、全社的な重要業務のデジタル化に取り組む必要があるとした。

 一方で企業はDXの推進に当たり、リスク分析/管理も求められる。「分析や管理が不十分であると、(新サービスを提供しても)リスク事象で大きく出はなをくじかれてしまう」(宮村パートナー)。PwCあらたのシステム・プロセス・アシュアランス部の佐藤要太郎シニアマネージャーは、通信会社のサービスが不正利用された例を挙げ、「悪意を持った人物が不正な操作をすることなども幅広く検討したうえでデジタルサービスを提供したほうが良い」と話した。

 DX経営ガバナンスでは事業環境の変化を把握したうえで、DX施策の価値評価と方向づけを高い頻度で継続して実施することが重要という。例えば、新型コロナウイルス感染拡大の影響で「接触回避と職住不近接、ギグ・エコノミー、AIとロボットによる無人化のトレンドが明らかに発生している」と、PwCあらたの佐藤シニアマネージャーは指摘する。

 接触回避はリモートワークや会議・営業のオンライン化の普及、職住不近接は地方移住の増加、ギグ・エコノミーはオンラインの労働プラットフォーム拡大を指す。これらの変化も考慮して、従業員や営業店、システムといった経営資源の割り当てを計画する必要があるとした。