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 米Micron Technology(マイクロンテクノロジー)は、グラフィック処理プロセッサー(GPU)向けメモリーインターフェースの「GDDR6X型」およびその対応メモリーであるSDRAMを正式発表した(発表資料:PDF)。このSDRAMを搭載している、米NVIDIAの最新GPUカード「GeForce RTX 3090」と「GeForce RTX 3080」の発表に合わせて*、Micronも正式発表したようだ。

新製品はメモリーICで初めてPAM4変調を採用
新製品はメモリーICで初めてPAM4変調を採用
右上が従来のNRZ変調で右下がPAM4変調。Micronのイメージ
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メモリーとしては初めてPAM4を採用

 このSDRAMの最大の特徴は、データバスにPAM4(four-level pulse amplitude modulation)変調技術を採用したことである。メモリーICにPAM4変調が採用されたのは今回が初めてだという。PAM4変調では、1サイクル当たり2ビットのデータを転送する。これにより、クロックレートを下げつつデータ転送レートを引き上げることが可能になる。例えば従来のGDDR6型では1ピン当たりのデータ転送レートが最大16Gビット/秒だったのに対し、今回のGDDR6X型では、同19Gビット/秒品と21Gビット/秒品が用意されている。上述のNVIDIAのGPUカードでは19Gビット/秒品が採用された。

転送速度が向上
転送速度が向上
右端が新製品のGDDR6X型。Micronのイメージ
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 21Gビット/秒品では1チップ当たりの最大帯域は84Gバイト/秒となり、システム全体(12チップ)では1Tバイト/秒を超える帯域が利用できるとする。また、1ビット転送当たりのエネルギーも小さい。GDDR6型では平均消費エネルギーは7.5pJ/ビットだったのに対して、GDDR6X型の21Gビット/秒品では7.2pJ/ビットである。

グラフィックス処理向けメモリーを比較
グラフィックス処理向けメモリーを比較
Micronの表
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 今回のGDDR6X型SDRAMのメモリー容量は8Gビット。Micronは今後、容量が16Gビットの製品を用意するほか、21Gビット/秒よりも高いデータ転送レートの製品も市場投入する予定である。

 パッケージはGDDR6型と同じく、14mm×12mmの180ボールBGA(ボールピッチ0.75mm)。電源のVDDは1.25Vまたは1.35V。VPPは1.8V。アクセス粒度は2チャネル×32バイトであり、主な仕様はGDDR6型品と同じである。一方で、PAM4変調を使うためにVREFの構造が変わるなどしており、GDDR6型との互換性はない(低速アクセスのRDQSモードではNRZとなるが、フルスピードではPAM4のみとなりNRZは使われないため)。GDDR6X型SDRAMは現在のところ、JEDECでの標準化の予定はない。

 既にMicronはGDDR6X型SDRAMの量産を開始しており、これを搭載したNVIDIAのGeForce RTX 3080は2020年9月17日に、GeForce RTX 3090は同年9月24日にそれぞれ全世界で発売されるという。