中国ZTEは2020年9月11日、5Gネットワーク構築に活用される主なMassive MIMO技術を解説する白書「5G Massive MIMO Network Application」を発行した(ZTEのニュースリリース)。同白書ではMassive MIMO技術を「full-scenario coverage」「full-space experience」「full-value mining」の3段階に分けて解説し、デジタルツインを活用した、さらに高度なネットワーク開発手法についても紹介している。
full-scenario coverageでは、より良いカバレッジを確保するためにマルチビームフォーミングが使われる。
full-scenario coverageでは、さまざまなシナリオに対して、SU(シングルユーザー)-MIMOや、干渉を軽減する新たなアルゴリズムを採用することで、ユーザー体験を改善する。full-value miningでは、MU(マルチユーザー)-MIMOやSDMA†に加え、これらを最適化するアルコリズムを用意し、システム容量やユーザー体験の改善、省電力化を実現する。
今回の白書では、ネットワーク規模や複雑さが増すことによる課題の解決策として、デジタルツインの活用を提案している。仮想ネットワークから各種ネットワークの挙動を抽出し、精密なモデリングと自動評価を行うことで最適解を見いだし、それを実際のネットワークに適用する。こうすることで、迅速なアップグレードや進化が可能になるとしている。
Massive MIMOに関するこのほかの指摘として、将来のネットワーク展開に向けて、より広大なネットワークカバレッジと伝送品質を保証するために、高い指向性が高利得ビームを形成するMassive MIMOが必須になるとする。既にMassive MIMOは5Gネットワークで大規模に使用されており、今後も他の技術と併用する形で活用されていくとしている。
今回の白書「5G Massive MIMO Network Application」(PDF形式)は、ZTEのWebサイトからダウンロードできる(ダウンロードページへ)。