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 ジャロック(東京・中野)は、作業手順をプロジェクションマッピングで投影して組立作業を支援する作業台「プロジェクションアッセンブリーシステム作業台」を発売した(図1)。セル生産における組立作業ミスの削減を支援するOKIの「プロジェクションアッセンブリーシステム」を搭載。作業内容に加えて注意点も投影し、誤った動作を検知すると音とライトで知らせる。

図1:「プロジェクションアッセンブリーシステム作業台」
図1:「プロジェクションアッセンブリーシステム作業台」
(出所:ジャロック)
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 作業台には、照明や鏡、作業棚の他に、プロジェクターやUSBカメラ、ディスプレー、バーコードリーダー、パソコンを搭載する(図2)。プロジェクターから手元の作業スペースに作業指示書や注意点を投影し、作業者の動作を誘導。誤った動作を検知すると、エラー音を鳴らすと同時に、正しい取り出し位置などをライトで教える。工程ごとの動画を自動で再生できるので、外国人労働者にも分かりやすい作業教育が可能だという。

図2:作業台の構成(左)とピッキングミスの警告イメージ(右)
図2:作業台の構成(左)とピッキングミスの警告イメージ(右)
(出所:ジャロック)
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 ジャロックによると、製造現場ではLED表示を利用した組立支援システム(以下、LED方式)を導入するケースが増えている。しかし、LED方式は表示できる内容が限られる上、部品ごとにLEDと光電センサーを設置しなければならないため、設備の構築や変更に手間がかかる。

 それに対して新システムは、指示書や注意喚起メッセージなどのさまざまな情報を投影できる。使用するプロジェクターやUSBカメラなどは汎用機器のため、LED方式に比べて導入コストを抑えられるのも利点だ。

 さらに新システムは、部品の取り出し結果や作業時の映像を作業実績として記録する機能を持つ(図3)。集計結果や録画データを分析すれば、ボトルネックになっている作業や工程、ムダを洗い出せる。CSV形式のファイルを取り込んで、指示情報の登録・変更が可能なため、頻繁に工程が変わる現場にも対応しやすい(図4)。

図3:作業録画イメージ(上)と分析例(下)
図3:作業録画イメージ(上)と分析例(下)
(出所:ジャロック)
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図4:パソコンでの設定イメージ
図4:パソコンでの設定イメージ
(出所:ジャロック)
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 同社によると、LED方式から新システムに切り替えた精密機器の組立工場の場合、導入コストをLED方式の約25%に削減できた。ポカミスの発生が減った他、新人教育や作業の習熟にかかる期間を約2週間から約2日間に縮められた。その他、作業実績データを自動で収集するためチェックシートが不要になり、混流生産ラインの確立とキット箱の廃止によってスペースも縮小できたという。

 作業台本体には、パイプを組み合わせて造る同社の「NICO」シリーズを採用した。現場の環境に合わせて形状を設計でき、組立・分解が容易だ。ピッキング部品を滑らせる「スライダーボード」「コロコンローラー」などのオプション部品も用意している(図5)。

図5:「NICO」シリーズのオプション
図5:「NICO」シリーズのオプション
(出所:ジャロック)
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