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目的は「効率化・生産性向上」が最多

 同じく305社に、DX推進の目的として重視していることを尋ねた。その結果、「デジタル技術の活用による業務プロセスの効率化・生産性向上」を「非常に重視している」が34.8%、「重視している」が46.9%となり、効率化が最も重視されていることが分かった(図4)。「デジタル技術の活用による既存の商品・サービス・事業の付加価値向上」も、25.2%が「非常に重視している」、47.5%が「重視している」と答えた。

図4:DX推進の目的として重視していること
図4:DX推進の目的として重視していること
(出所:日本能率協会)
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 一方で、「デジタル技術を活用した新規事業の開発」「デジタル技術の活用による新規顧客の開拓」「顧客や社会のデジタル化に対応した抜本的な事業構造の変革」については、「非常に重視している」「重視している」の合計が5割前後。「やや重視している」の比率が高く、効率化と付加価値向上の2項目に比べて重視する度合いは低い。そのためJMAは、新たな企業成長に向けたDXの推進という観点では「さらなる検討の余地がある」としている。

 さらに、305社にDX推進の課題も質問した。すると「DX推進に関わる人材が不足している」の項目について、「おおいに課題である」「課題である」「やや課題である」の合計が86.5%に上り、人材不足が最大の課題になっていることが分かった(図5)。「DXに対するビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」と「具体的な事業への展開が進まない」の2項目についても、「おおいに課題である」「課題である」「やや課題である」の合計がそれぞれ77.7%と76.0%で、課題と捉える企業が多い。

図5:DX推進の課題
図5:DX推進の課題
(出所:日本能率協会)
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 こうした結果についてJMAは、DXへの関心と取り組みが広がっている半面、その具現化に向けては「多くの企業がさまざまな課題に直面しているという実態が浮かび上がった」として、「中長期的な視点からデジタル技術の活用、DXの推進を検討する必要があるのではないか」と述べている。

 なお、今回の調査は、JMAが企業経営者を対象に1979年から実施している「当面する企業経営課題に関する調査」の一環。2020年度は、JMAの法人会員と評議員会社、サンプル抽出した全国主要企業の経営者の計5000社を対象として2020年7月20~8月21日に実施した。質問表を郵送で配布し、郵送とインターネットで回答を受ける方法を取り、10.6%に当たる532社から回答を得た。