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 東芝デバイス&ストレージは、車載機器のモーター駆動や太陽光発電システムなどで使う、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の回路シミュレーションモデルの精度を向上させた(ニュースリリース)。同社が開発した第1弾のモデルに比べて、電力効率に関連した「ターンオン損失」のシミュレーション精度が20%、EMI雑音に関連した「コレクター電流の時間変化率」のシミュレーション精度が40%、それぞれ向上したという。

 同社は、今回の回路シミュレーションモデルの詳細を、2020年9月13日~18日にオンライン開催されたパワー半導体の国際学会「IEEE International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs (ISPSD) 2020」でポスター発表した。ポスターのタイトルは「High Accurate Representation of Turn-on Switching Characteristics by New IGBT and FWD Compact Models for High Power Applications」である。第1弾の回路シミュレーションモデルは昨年のISPSD 2019で発表している*

 今回、IGBTスイッチング回路を構成する2つの素子、すなわちIGBTと還流ダイオード(FWD:Free Wheeling Diode)のモデルに、ゲート抵抗Rgの影響(依存性)を盛り込むことで、精度の向上を図った。ポスター発表した東芝デバイス&ストレージの溝口 健氏(デバイス&ストレージ研究開発センター TCAD技術開発部 エキスパート)は、「パワーエレクトロニクスの回路設計では、ゲート抵抗Rgを調整しながらスイッチング速度を最適化している。それをモデルに反映した」という。

ゲート抵抗Rgの依存性をIGBTと還流ダイオード(FWD)のモデルに反映
ゲート抵抗Rgの依存性をIGBTと還流ダイオード(FWD)のモデルに反映
東芝デバイス&ストレージのスライド
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 IGBTに関しては、ISPSD 2019で発表の第1弾モデルに含まれるゲート-エミッター間容量Cgeにゲート抵抗Rgの依存性を加えた。還流ダイオードFWDに関しては、イランのシャーウッド工科大学(Shahrood University of Technology)が開発したモデルの電圧制御電流源パラメーターKとインダクターLHにゲート抵抗Rgの依存性を加えた。

IGBTモデルでは、ゲート-エミッター間容量Cgeにゲート抵抗Rgの依存性を加えた
IGBTモデルでは、ゲート-エミッター間容量Cgeにゲート抵抗Rgの依存性を加えた
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還流ダイオード(FWD)のモデルでは、電圧制御電流源パラメーターKとインダクターLHにゲート抵抗Rgの依存性を加えた
還流ダイオード(FWD)のモデルでは、電圧制御電流源パラメーターKとインダクターLHにゲート抵抗Rgの依存性を加えた
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