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東証システム障害で何が起こったのか、15年分の苦闘総ざらい

 東京証券取引所は2020年10月1日夕方に記者会見を開き、システム障害の影響で同日の取引が終日停止した問題について謝罪するとともに、経緯と今後について説明した。原因となったハードウエアを交換したうえでシステムを再起動し、あす10月2日午前9時から売買を再開したい意向だ。

謝罪会見で頭を下げる出席者。左から東京証券取引所の川井洋毅執行役員、東京証券取引所の宮原幸一郎社長、日本取引所グループの横山隆介CIO(最高情報責任者)、東京証券取引所の田村康彦IT開発部トレーディングシステム部長
謝罪会見で頭を下げる出席者。左から東京証券取引所の川井洋毅執行役員、東京証券取引所の宮原幸一郎社長、日本取引所グループの横山隆介CIO(最高情報責任者)、東京証券取引所の田村康彦IT開発部トレーディングシステム部長
(撮影:日経クロステック)
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 システム障害が起きた原因は、東証の売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を構成する運用系ネットワークに含まれる共有ディスク装置1号機のメモリーの故障。発生時刻は午前7時4分だった。共有ディスク装置は、アローヘッドの複数のサブシステムが共通で持つデータを格納している。バックアップとして同2号機があるが、障害時に2号機へ自動的に切り替わる機能が働かなかった。このため、共有ディスク装置内のデータを使う複数のサブシステムが正常に稼働しなくなった。具体的には、「情報配信ゲートウエイ」による相場情報の配信処理と、「売買監視サーバー」による監視処理に異常が発生した。

 障害の影響が証券会社や相場ユーザーなど東証外のシステムへ波及しないよう、アローヘッドと外部システムをつなぐネットワークを午前9時の取引開始前に遮断し、売買を全面停止した。東京証券取引所の宮原幸一郎社長は「市場関係者と協議した結果、(仮に取引時間中に復旧できても)システムを再起動すると(証券会社などから送信済みの注文の扱いなどを巡り)投資家などに混乱が生じることが想定され、終日売買停止することにした」と説明した。

 アローヘッドは2019年11月に刷新しており、故障した共有ディスク装置1号機のメモリーもその際に採用された。故障したメモリーの交換とシステムの再起動を経て、あす10月2日は通常通り午前9時から売買を再開する予定だ。ただ、共有ディスク装置1号機の不具合発生時に、同2号機へ自動で切り替わらなかった原因は「判明していない」(日本取引所グループの横山隆介CIO)といい、開発ベンダーの富士通で解析中とした。

 宮原社長は「富士通と徹底した原因究明をし、その上で再発防止策を協議している。市場運営の責任の所在は私どもにあり、(富士通への)損害賠償は現時点で考えていない」とした。

 サイバー攻撃の可能性について同社は、故障した共有ディスク装置が外部とネットワーク接続していないことを理由に挙げ否定している。

システム障害発生の経緯
時刻できごと
7時4分共有ディスク装置1号機のメモリーに故障が発生
8時1分取引参加者向けに、情報配信ができなくなっている旨を通知
8時36分売買停止の方針を発表
8時54分アローヘッドと外部システム(証券会社・相場ユーザー)をつなぐネットワークを遮断して売買停止
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