米Sony Interactive Entertainment(SIE、ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は2020年11月に発売予定の据え置き型ゲーム機の次世代機「PlayStation 5(PS5)」の分解動画を公開した。これまで同社は、新型機が登場するごとに分解動画を公開してきたが、発売1カ月以上前に公開するのは異例である。
動画では、PSシリーズの熱設計や機構設計などを手掛けてきた鳳 康宏氏が出演し、PS5を分解しつつ、内部構造の見どころを解説。動画公開に合わせて、公式ブログ内で、ソニー・インタラクティブエンタテインメント EVP(ハードウェアエンジニアリング&オペレーション統括責任者)の伊藤雅康氏が、PlayStationのハードウエアを開発する上で、考え抜いた「美しい設計」に重きを置いているとコメント。美しいとはすなわち、筐体を分解した際にその内部が整って見えることを指す。それは、「部品点数を含めて設計に無駄がなく、結果として不良が少なく、完成度が高い製品を意味する」(伊藤氏)。加えて、PS5では、静音性や冷却性といったさまざまな面で、「これまで以上にバランスに気を配る必要があった」(伊藤氏)という。
2015年に構想に着手してから約5年かけて、PS5の設計・開発に取り組んできた。今回公開した約7分の分解動画を通じて、その成果が垣間見えた。
PS4より一回り大きい本体
動画内では冒頭、PS5をPS4より一回り大きくしたことで、演算処理性能や静音性などで大幅な向上を果たしたと説明。PS5の外形寸法は390mm×260mm×104mmだという。PS4シリーズで大型な「PS4 Pro」の外形寸法は約327mm×295mm×55mmである。
次に、搭載したUSBやHDMIといった端子類、縦置き用ベースを外して横置き用に再び取り付けられること、「ダストキャッチャー」を備えたことを紹介した。PS5本体の両側にある白色の外装パネルは、ユーザーが外すことができるものである。
同パネルを外すと、2カ所にダストキャッチャーがある。そこに集まったホコリなどを掃除機で吸い出せるという。さらに、外装パネルの下に、ストレージ増設用の「PCI Express 4.0」対応の「M.2」インターフェースを用意している。