地場産業のプロデュースやブランディングなどを手がけるトランクデザイン(神戸市)は、神戸市内の中小製造業(サプライヤー)と全国のメーカー(バイヤー)をつなぐ事業マッチングプラットフォーム「Log KOBE」を開設した(図1)。サプライヤーがそれぞれの強みを発信するページを設ける他、オンライン展示会などを開催し、商談の機会を創出していく。参加費は、サプライヤー・バイヤー共に無料。神戸市が主催し、同社が運営を担当する。

図1:「Log KOBE」のメインイメージ
図1:「Log KOBE」のメインイメージ
サプライヤーの対象は、神戸市内・兵庫県内に事業所を構える中小製造業と関連支援期間で、定員は120社。(出所:トランクデザイン)
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* 「Log KOBE」のホームページ:https://logkobe.com/

 Log KOBEへの参加の流れは、以下の通り(図2)。まず、サプライヤーとして参加する企業は、企業ごとの専用ページに事業内容や強みを登録する。具体的には「設計」「材料」「試作開発・少量生産」「金型製作」「量産」「表面処理」「組み立て・検査」「部品」「ケミカルシューズ」の中から該当する事業内容を選ぶ他、自社の強みを表現するキャッチコピー(30文字以内)、主力製品・独自技術(200~300文字)、過去の実績(300文字以内)、取引先から評価されている点(50文字以内)などを入力。商品力・技術力を伝える画像や企業紹介の動画も登録できる。

図2:参加の流れ
図2:参加の流れ
サプライヤーとバイヤーが自社の情報を登録し(左)、オンラインでの個別商談(中)やオンライン展示会(右)を通して取引を探していく。(出所:トランクデザイン)
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 バイヤーは、それらの情報を基にサプライヤーを探す。サプライヤーは、専用ページへのアクセスログやバイヤーの反応、他のサプライヤーの登録内容や強みを説明する工夫などを参考に、自社の訴求ポイントを調整し、取引先の獲得を目指す。

 2つの形式によるオンライン商談の機会も提供する。まず2020年10月20~11月17日には、ビデオ通話による「オンライン/オフライン個別商談」を開く予定だ。この期間は、サプライヤーの専用ページの機能でバイヤーがアポイントを取り、個別に商談できるようにする。

 もう1つは、個別商談期間中の11月5~6日に開催するオンライン展示会「オンラインオープンファクトリー」だ(図3)。同展示会では、オンライン会議システム「Remo Conference」を活用し、バイヤーは画面上に用意された出展企業ごとのテーブル(ブース)を移動しながら、製造現場を見学したり質問したりできる。商談会に先立って同社は、出展企業向けのセミナーも実施。基礎的なシステムの使い方や、成約率を上げる商談の進め方などをアドバイスする。

図3:オンライン展示会のイメージ
図3:オンライン展示会のイメージ
出展企業ごとにテーブル(ブース)が割り振られており、サプライヤーは興味のあるテーブルを選んでファクトリーツアーに参加する(左)。(出所:トランクデザイン)
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 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で展示会の中止・延期が相次いでいる。その代替としてオンラインでの商談会やプレゼンテーションの機会は増えているものの、「従来のオフラインでの商談をオンラインに置き換えるだけでは成果につながりにくいという実態も明らかになってきた」(トランクデザイン)という。

 Log KOBEでは、オンライン展示会ならではのメリットに着目した。サプライヤーには、専用ページへのアクセス数や電話番号のクリック数などの実績データを定期的に報告する。サプライヤーは実績や他社ページとの比較などから、自社の登録内容を見直せる。

 ものづくりの現場を見せられるのも、オンライン展示会の利点。2020年9月に開催した事業説明会において、同社代表取締役の堀内康広氏は『リアルな展示会には、物を造っている現場を持っていくことはできないが、オンラインなら造っている現場を撮影して「このような作業をしています」「これだけ精密な加工ができます」といったことをより多くの人にリアリティーを持って伝えられる』と述べた。

 その他、遠方のバイヤーは時間やコストがかかるという理由で従来の展示会には来場しにくかったが、オンライン展示会なら参加しやすい。これまでブース製作費や交通費の負担が大きいとして展示会への出展を見合わせていたサプライヤーも、オンライン展示会なら出展が容易だ。

 同社は、Log KOBEのオンライン展示会と同様の仕組みで、全国からクラフト作家を集めた「Local Craft Market」を開催している。この展示会に出展した作家の中には「周りのブースを見て、紹介動画のクオリティーを高める努力をしている人もいる」(同氏)。Log KOBEに登録したサプライヤーにも、専用ページでのPRやオンラインでの商談を通して「自社の技術をアピールできる力を付けていってほしい」(同氏)という。

 Log KOBEの個別商談は年2回の計画で、第2回は2021年2~3月を予定している。