OKIエンジニアリング(東京・練馬、以下OEG)は、欧州連合(EU)の新たな化学物質管理制度である「SCIP」〔Substances of Concern In articles as such or in complex objects(Products)〕に対応したサポートサービスの提供を開始した。企業が持つ環境情報を基に、SCIPデータベースへの登録の要否判断から情報収集、書類作成、登録までを代行する。同サービスを利用することで、社内で化学物質管理を担う技術者の負担を減らせる。

図:SCIP登録/情報伝達判断フローと「SCIP対応サポートサービス」のメニュー(出所:OKIエンジニアリング)
図:SCIP登録/情報伝達判断フローと「SCIP対応サポートサービス」のメニュー(出所:OKIエンジニアリング)
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 SCIPは、健康被害などが疑われる高懸念物質(Substances of Very High Concern:SVHC)を使用した部品・製品(以下、製品)の情報を登録する欧州化学品庁(ECHA)のデータベース。2021年1月5日から運用される。同データベースは、2018年6月に改正された廃棄物枠組み指令(Waste Framework Directive:WFD)に基づいて構築されており、製品のライフサイクル全体での有害物質の管理を可能にする。

 登録の対象は、化学物質の総合的な登録・評価・認可・制限を求めるREACH(リーチ)規制で指定されたSVHC物質を0.1質量%以上含む全ての製品。同規制で定められていた年間総出荷総量1t以上という条件がなく、従来よりも対象範囲が広がる。データベースへの登録義務はEU域内の事業者が負うが、それらの事業者に部品・製品を供給するEU域外の事業者は、EU域内の事業者にSVHC含有情報を提供しなければならない。SCIP情報はサプライチェーン(供給網)の上流から下流に向けて伝達されていくため、直接EUへ製品を輸出していない企業も、EUへ輸出する企業へSVHCの情報を伝達する必要がある。登録業務を代行する契約を交わし、日本企業が登録するケースも想定される。

 新サービスのメニューは、[1]SCIP登録/情報伝達要否確認(SVHC含有確認)、[2]SCIP情報準備(情報収集代行/情報作成支援)、[3]SCIPデータベース登録(登録代行)の3つ(図)。これらをOEGがワンストップで提供するため、ユーザー企業は自社で設備・人的投資をせずに迅速なSCIP対応を実現できるという。

[1]では、chemSHERPA(ケムシェルパ)やSVHC確認書といったユーザー企業が持つ環境情報(元データ)を基に、SVHCの含有量とSCIPデータベースへの登録の要否を確認し、ユーザーのSCIP情報登録判断を支援する。SCIPで定義される原部品(Article as such)のSVHC含有濃度はREACH規制やchemSHERPAとは異なるので、SVHC含有濃度を再計算する場合もある。

*  chemSHERPA 製品含有化学物質情報伝達スキームのこと。製品に含有される化学物質情報を川上企業から川下企業までサプライチェーン全体で適正に運用するためのデータ作成支援ツール。経済産業省が主導して2015年にリリースされた。

 元データの情報が足りないときは、OEGが提供している「含有化学物質情報収集サービス」や「chemSHERPA調査サービス」で培った技術やノウハウを生かして、必要な情報を補う。元データでSVHCの含有状況が不明な場合は、製品に含まれる成分の分析も実施する。

[1]の結果、製品に規定量以上のSVHCが含まれ、SVHC情報の報告やSCIPデータベースへの登録が必要な場合は[2]として、chemSHERPAを使ったSCIP情報収集やSCIP情報作成などを実施し、SCIP情報の準備をサポート。さらに[3]で、データベースへの登録を代行する。

 価格は個別見積もりによる。OEGは、年間の販売目標を2000万円としている。