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 米Intel(インテル)が韓国SK hynix(SKハイニックス)にNANDフラッシュメモリー事業を売却する。両社名の入ったニュースリリースをSK hynixが発表した。

 そのニュースリリースには、Intel CEO(最高経営責任者)のBob Swan氏のコメントが載っている。「今回の売却によって、Intelの顧客や株主にとってより重要な技術に投資を振り向けることができる」という趣旨である。同氏は2020年第2四半期のオンライン決算発表会で「自前の製造プロセスにはこだわらない」と発言しており*1、同社の改革に積極的な姿勢を示している。今回のコメントも、そうした立場に沿ったものと言えそうだ。

Intel CEOのBob Swan氏
Intel CEOのBob Swan氏
同社の写真
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 IntelはNANDフラッシュ事業を売却する一方で、相変化メモリー「Optane」*2の事業は継続することを明言している。Optaneは、PC(パソコン)向けMPU(マイクロプロセッサー)「Core」に代わり、今や同社の稼ぎ頭であるデータセンター/サーバー向けMPU「Xeon」の脇を固める役割を担う。Optaneを使ったパーシステント・メモリーは、主記憶のDRAMと外部記憶のSSD(Solid State Drive)の間に入れることで、データセンターのコンピューターシステムにおけるメモリーの最適化を狙う。

コンピューターシステムのメモリー階層とIntelの現行メモリー製品
コンピューターシステムのメモリー階層とIntelの現行メモリー製品
同社のプライベートイベント「Architecture Day 2020」(米国時間の2020年8月13日にオンライン開催)で見せたスライド
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売却額は90億米ドル

 SK hynixはIntelに90億米ドル(約9500億円、1米ドル=105円換算)を支払うことで、IntelのNAND事業を買収する。SK hynixが取得するのは、NANDフラッシュメモリーを搭載したSSDの事業と、NANDフラッシュメモリー部品とそのウエハー処理(製造)事業、中国・大連市にあるNANDフラッシュメモリーの工場である。今回の買収により、SK hynixはNANDフラッシュメモリー事業の強化を図るという。

 今回の取引は、2021年下期に得られる見込みの当局の承認を得て実行される予定。まず、SK hynixが70億米ドル(約7350億円)をIntelに支払い、NANDフラッシュメモリーを搭載したSSDの事業〔それに関連したIP(知的財産権)と従業員を含む〕と大連市の工場を取得する。続いて、残りの資産、具体的にはNANDフラッシュメモリーのウエハーの製造や設計に関連したIPや、研究開発(R&D)のエンジニア、大連市の工場の従業員などを取得していく。2025年3月に残りの20億米ドル(約2100億円)を支払って、取引が完了する予定である。取引完了までIntelは大連市にある工場において、NANDフラッシュメモリーの製造(ウエハー処理)を続けるとともに、NANDフラッシュメモリーのウエハーの製造や設計に関連した全IPを保持する。