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 米Keysight Technologiesは、レーダーのターゲット(測距対象)を模擬する計測器である「レーダー・ターゲット・シミュレーター」の新製品「E8718A」を発表した(ニュースリリース)。同社既存のレーダー・ターゲット・シミュレーターは、1つのターゲットのみ模擬したが、新製品は最大3つのターゲットを扱える。これで、例えば、前方を走るクルマと道路上の障害物を同時に扱えるようになった。

新製品のレーダー・ターゲット・シミュレーター「E8718A」
新製品のレーダー・ターゲット・シミュレーター「E8718A」
手前がターゲット(測距対象)を最大3つ設定できる機種「E8718A-C03」で、奥がターゲット1つの機種「E8718A-C01」。Keysightの写真
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 新製品のレーダー・ターゲット・シミュレーターは主に車載レーダーのチェックに使われる。車載レーダーが測距用の電波を発射すると、その電波を受けたレーダー・ターゲット・シミュレーターはあらかじめ設定したターゲットの条件(距離や反射量など)に合うように疑似反射波を出す。疑似反射波を車載レーダーが捕捉することで、車載レーダーが正しく測距できたかどうかをチェックする。同社は2017年下期に「E8707A」、2018年下期に「E8708A」というレーダー・ターゲット・シミュレーターそれぞれを市場投入しているが、どちらもターゲットは1つ、すなわち、シングルターゲットのレーダーシミュレーターだった。

車載レーダーのチェック環境の例
車載レーダーのチェック環境の例
チェックは電波暗室で行うのが一般的。中央のレーダー(DUT:Device Under Test)をチェックする。新製品(右中央)に接続したアンテナきょう体をDUTの周囲に置く。DUTが電波を発すると、新製品のアンテナでそれをキャッチ。あらかじめ設定したターゲット(測距対象)を模擬して、疑似反射波を出す。想定通りの距離をDUTが測れれば、チェック結果はOK。測れなければ、NGとなる。Keysightのスライド
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 新製品の「E8718A」は複数のターゲットを模擬できる、同社では初のマルチターゲットのレーダーシミュレーターである。1台で最大3つのターゲットを扱える。そのうち1つは、ターゲットまでの疑似距離をユーザーが手元で4~300mに設定できる(設定ステップは0.1m)。距離の誤差は±0.3m。残りの2つのターゲットは、工場出荷時に疑似距離が固定される。設定できる範囲は6~300m。変更はKeysightに依頼することで可能だという。オプションで、各チャネルのターゲットにドップラー効果を設定可能である。すなわち、ターゲットが動いてる状態を模擬できる。設定可能な速度は最大±360km/時(ステップは0.1km/時)。速度の誤差は±0.05km/時である。

ターゲットが最大3つの機種「E8718A-C03」の概要
ターゲットが最大3つの機種「E8718A-C03」の概要
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 新製品の帯域は4GHz(周波数レンジが77G~81GHz)または1GHz(同76G~77GHz)。なお、既存の2製品ではアンテナは本体に直付けされていたが、新製品では、本体とケーブルでつなぐ別のきょう体にアンテナが搭載される。アンテナを搭載した別きょう体は4種類が用意されている。アンテナ数(アンテナ1つで送信・受信共用/アンテナ2つでそれぞれ送信用と受信用)、アンテナの向き(本体に対して垂直/水平)が異なる。「E8718A」にはターゲットが3つの機種「E8718A-C03」のほかに、ターゲットが1つの機種「E8718A-C01」もある。価格は日本で購入する場合、前者がおおよそ3800万円(税別)から。後者はおおよそ1800万円(税別)から。

アンテナの数と方向が異なる4つのアンテナきょう体を用意
アンテナの数と方向が異なる4つのアンテナきょう体を用意
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