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 米Qualcomm(クアルコム)は2020年10月20日、5Gプライベートネットワークが企業と産業に与える影響について解説した(Qualcommのブログ)。以下はその要約となる。

 3GPPによる5G NRの最初の標準化仕様であるリリース15では、スマートフォンや固定無線、PCなどのアプリケーションに向け、eMBB(enhanced mobile broadband、高速大容量通信)に焦点を絞ったことで、その商用化が急速に進んだ。リリース16では、NPN(5G non-public networks、5G非公共ネットワーク)のサポートが追加され、外部からアクセス不可能なプライベートネットワークとして利用できるようになる。5Gプライベートネットワークは公共のネットワークから物理的、仮想的に切り離され、外部とは異なるハードウエアや仮想マシン、ネットワークスライスが使える環境となる。

企業や産業の価値を高める5Gプライベートネットワーク
企業や産業の価値を高める5Gプライベートネットワーク
出所:Qualcomm
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 プライベートネットワークは、特定のカバレッジエリアやネットワーク容量、用途に合わせたモビリティーを実現できるように設計、最適化することができる。公共のネットワークからのアクセスを許さないことで、信頼性も高めることができる。また、ユーザー数や通信状況の予期せぬ変更も起こらないことで、リソースの状態がより予測可能になり、活用しやすくなる。

 5Gプライベートネットワークは、様々な企業、産業のニーズに合わせて設計、最適化できる。超低遅延通信や5G無線ネットワークを使ったLAN(local area network)サービス、データパケット送受信時の高い時間確定性の保証など、様々な要素に重点を置いた設計が可能となる。

 3GPPのリリース16では、5G NRのすべての機能が5Gプライベートネットワークとして利用できる。これにより、プライベートネットワークでも、既に公共ネットワークで実績のあるネットワークインフラ機器、ソフトウエア機能や端末の利用が可能となり、プライベートネットワーク立ち上げまでの時間を大幅に節約できる。

5Gプライベートネットワークアーキテクチャーと企業の新たな機会創出

 5Gプライベートネットワークは、パブリックネットワークと統合する形にも、独立するようにも設計できる。どちらのアーキテクチャーも、オプションでパブリックネットワークサービスに拡張できるため、プライベートネットワーク用端末がプライベートネットワーク外に出た際に、パブリックネットワークでも使用することができる。

5Gプライベートネットワークのアーキテクチャー
5Gプライベートネットワークのアーキテクチャー
出所:Qualcomm
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 統合型のプライベートネットワークでは、サービス加入と制御信号処理はパブリックネットワークが管理する。どちらのアーキテクチャーでも、ユーザーデータ信号処理はプライベートネットワークで行い、データ発信側と終端側5G端末のオンプレミスでのエッジコンピューティングを低遅延で行うことができる。これにより、応答性に優れ、連携時の束縛が少なく、プライベートエッジでの高度な画像処理が可能な低消費電力の拡張現実(XR)、即時性の高いクラウドアプリケーションやクラウドストレージなど、企業の生産性を強化する新たな機会創出が見込める。

端末上で無限にリアルな映像を提供可能なXR
端末上で無限にリアルな映像を提供可能なXR
出所:Qualcomm
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 プライベートネットワークのエッジコンピューティングリソースやネットワークインフラ、端末は、データセキュリティーが確保されたプライベートネットワーク内で物理的に保護できる。プライベートネットワークは、他のアクセスを排除し、データのプライバシーやセキュリティーを保護できる、高い価値を持つネットワークだと言える。

インダストリー4.0とスマートファクトリーの実現

 インタストリー4.0による未来の工場は、5Gによる大きな付加価値を持つものとなる。高速移動する巨大な金属障害物など、課題の多い無線環境でもサービス品質を提供するため、5Gには、3つの要素が用意されている。eMBBとIoT機器の大量接続、eURLLC(enhanced ultra-reliable low latency communications、超高信頼低遅延通信)だ。100ミリ秒から1ミリ秒の低遅延、99.9%から99.9999%、つまりパケットロス100万分の1の信頼性、数kビット/秒から数Gビット/秒の高速性。リリース16で標準化された5Gプライベートネットワークは、そのコネクティビティーと柔軟性、効率性でこうした需要に対応し、生産性向上に貢献する。

3GPPリリース16では5Gに新たなIIoT性能が追加
3GPPリリース16では5Gに新たなIIoT性能が追加
出所:Qualcomm
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