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 キオクシアは、四日市工場(三重県四日市市)内に、新しい製造棟となる第7製造棟(Y7棟)を2021年春から建設すると決めた(ニュースリリース)。新製造棟の建設により、3次元NANDフラッシュメモリー「BiCS FLASH」の生産能力増強を図る。

 Y7棟は現在の工場敷地の北側に建設し、土地の造成を進めているところ。市場動向を見極めながら、最適なスペースを確保する狙いから、2期に分けて建設する予定で、まず第1期分を2021年春に着工する。Y7棟第1期分の竣工は、22年春の予定である。今回の建屋建設の投資は営業キャッシュフローの範囲内で行う計画とする。

四日市工場全景
四日市工場全景
第7製造棟は、写真の右上辺りに建設予定という。(出所:キオクシア、撮影は2018年)
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 キオクシアは、予定していた東京証券取引所への上場の延期を20年9月28日に決定しており(ニュースリリース)、新製造棟の建設を決めるのに適切な状況にあるとは言い難い。その中で今回建設を決めた背景には競合の韓国SK hynix(SKハイニックス)による米IntelのNANDフラッシュメモリー事業買収がありそうだ*

 NANDフラッシュメモリーの世界市場において、キオクシアとパートナーの米Western Digitalの合計の売上高は韓国Samsung Electronicsに次いで2位を維持するものの、キオクシア1社の売上高はSK hynixとIntelの合計を下回り、キオクシアは業界2位から3位へ後退すると見られる。このため、新製造棟の建設で、生産能力を高める必要があると判断したようだ。SK hynixによれば関連当局の買収承認は21年下期に得られる見込みで、その後IntelのNANDフラッシュメモリー事業の移管実務が開始される。

 新設するY7棟は、地震の揺れを吸収する免震構造を採用するとともに、最新の省エネ製造設備を導入するなど環境面にも配慮した工場になるという。また、AIを活用した生産システムの導入などを通じ、さらに生産性を向上させるとしている。キオクシアは今後もWestern Digitalとの20年にわたるパートナーシップを継続し、製造棟の運営で協力し、Y7棟における共同投資を今後進める予定である。