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5G配備への2つのハードル

 GSMAは同年11月12日に、ロシアの周波数政策に関連する最新リポート「Adopting International Radio Frequency Electromagnetic Fields (RF- EMF) Exposure Guidelines: Benefits for 5G Network Deployment in Russia」も発行している(GSMAのニュースリリース2)。

 ロシア連邦政府は現在、デジタルエコシステムの構築とIoTの最大活用を目指すデジタル経済プログラムを展開中。5Gはこれらを支える主要な技術となる。

 しかし、その5G配備には、政府の承認手続きと、無線施設の設置・運用ルールという2つのハードルがある。特に後者については、ロシアの無線周波数電磁界(RF‐EMF)への暴露限界などが、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP、International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection)が定める国際安全ガイドラインよりも厳しく、それにより事業者の5G導入費用が10倍になる可能性があると指摘している。

ロシアの無線周波数電磁界への暴露限界値と国際安全ガイドライン比較
ロシアの無線周波数電磁界への暴露限界値と国際安全ガイドライン比較
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ロシアのガイドライン準拠時と国際ガイドライン準拠時の5Gネットワーク構築に必要な資本支出額比較
ロシアのガイドライン準拠時と国際ガイドライン準拠時の5Gネットワーク構築に必要な資本支出額比較
出所:GSMA
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 その上で、ロシアの5G接続率が2025年に約20%に達するとしつつ、仮に政府が周波数に関する国際安全ガイドラインを採用すれば、その時期が早まり、かつ導入費用も抑えられるとしている。

 なお本リポートでは、ICNIRPが2020年3月に更新した、移動通信サービス向け周波数に関する国際安全ガイドラインの内容についても紹介している。20年にわたる追加的な健康調査を考慮に入れたこのガイドラインによると、携帯電話の使用や、基地局の近くに住むことによる健康上のリスクは、子供への影響を含め、確認されていないとしている。

 本リポート「Adopting International RF-EMF Exposure Guidelines: Benefits for 5G Network Deployment in Russia」の全文はGSMAのWebサイトからダウンロード可能である(GSMAの紹介サイト)。