AGCは2020年11月19日、横浜市鶴見区に建設中だったAGC横浜テクニカルセンター新研究開発棟が完成したと発表し、報道陣に公開した。横浜市内で2カ所に分かれていた研究開発拠点を集約したほか、共同研究などを進めやすくするためのオープンイノベーション空間を新設した。デジタルを活用した素材開発などを進める。

新研究開発棟について説明する平井良典専務執行役員CTO(最高技術責任者)
新研究開発棟について説明する平井良典専務執行役員CTO(最高技術責任者)
撮影:日経クロステック
[画像のクリックで拡大表示]

 新研究開発棟は、これまでプロセス開発と設備開発を担っていたAGC横浜テクニカルセンター内に新設した。総工費は約200億円。基礎研究と材料開発を担っていた中央研究所(横浜市神奈川区)の機能と人員も、ここに集約する。当初2020年6月頃の本格稼働を予定していたが、新型コロナ禍などの影響で遅れ、本格稼働は2021年半ばの見込み。現在は一部稼働している。

 新研究棟では、デジタルを活用して素材などの開発を加速する。平井良典専務執行役員CTO(最高技術責任者)は、「化学実験もバイオ実験でも、まず計算機上でシミュレーションをしたうえで実験室での実験に取り組んでいる。この新研究棟は空間全体がDXに適したように設計されている」とした。

AGCの社員が研究開発を行う「セキュリティエリア」と、社外パートナーや顧客らと共同研究やプロトタイピングを行う「オープンエリア」に分かれている
AGCの社員が研究開発を行う「セキュリティエリア」と、社外パートナーや顧客らと共同研究やプロトタイピングを行う「オープンエリア」に分かれている
出所:AGC
[画像のクリックで拡大表示]

 新研究棟には、「AO」と呼ぶオープンイノベーション空間も設けた。同社は「よりスピーディーに研究開発を進めるために、アカデミアや外部パートナーとの共創を進める」(平井専務執行役員CTO)場としてAOを活用する。AOには3Dプリンターなどを備えるプロトタイピング施設のほか、仮想現実(VR)などデジタル技術を活用して素材開発のシミュレーションを行う部屋も設置した。

VRなどを活用して研究開発を行う部屋もある
VRなどを活用して研究開発を行う部屋もある
撮影:日経クロステック
[画像のクリックで拡大表示]