東芝ライテック(神奈川県横須賀市)とチャオ(東京・港)は、東芝ライテックのカメラ付きLED照明「ViewLED」(ビューレッド)で撮影した画像を人工知能(AI)で解析し、工場の課題解決を図るソリューションを開発した。第1段として、指定エリアへの人の立ち入りを検知・通知する「安全アラートサービス」を2020年11月30日から提供する(図1)。
ViewLEDは、映像記録機能付きカメラとLED照明器具が一体になっており、照明器具として天井に設置するだけで室内を見下ろした映像を得られる。映像は本体のmicro SDメモリーカードに一時保存される他、Wi-Fi経由でスマートフォンなどからの確認も可能。例えば、工場の製造・組み立てラインでエラーが発生した際、映像記録が残っていれば原因究明と工程改善に利用できる。
東芝ライテックは今回、クラウド型AIカメラサービス「Ciao Camera」(チャオカメラ)のノウハウを持つチャオと業務提携し、ViewLEDの映像を活用するソリューションを開発した。映像をクラウド上で管理するとともにAIで解析し、工場における人の動きや経路、作業を見える化する(図2)。ViewLEDで取得した真上からの映像は、人の重なりが少なく、作業状態が分かりやすいのが利点。さらに、AI画像解析を工夫して誤認識を減らしている。
第1段の安全アラートサービスは、ビューワーソフト上であらかじめ指定したエリアに人が侵入したのを検知すると、管理者に電子メールで知らせる。検知記録を基に、人を検出した画像だけを検索・確認できる。東芝ライテックの工場における課題と実証実験で得た知見を生かして開発したという。
月額サービス利用料は、ViewLEDと専用ゲートウェーを含めて3万5000円から。別途、設置・回線工事費用などがかかる。月額制のため初期投資を抑えられるのも、同サービスの利点だとしている。
2021年度には、作業者の動線を見える化してレイアウト改善につなげる「人流分析サービス」や、作業者の作業時間・内容を見える化して誤作業の検知などを可能にする「作業分析サービス」を順次、リリースする予定。工場だけでなく、オフィスやビルに向けたソリューションの展開も検討している。