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 米Maxim Integrated(マキシム)は、内部自己放電の検出機能を搭載したLiイオン/Liポリマー2次電池向け電池残量計(フューエルゲージ)IC「MAX17320」を発売した(ニュースリリース)。同社によると、「Liイオン/Liポリマー2次電池の内部に損傷や欠陥があると、漏れ(リーク)電流が発生し、それが次第に増加することで火災や爆発につながる危険性がある」という。通常、電池メーカーはこの問題を解決するために、出荷前の検査を実施して漏れ電流が発生している電池セルを取り除いていた。しかし、「電子機器に搭載されてユーザーの手に渡った後に、電池セルで発生した漏れ電流(内部自己放電)を検出する手段はこれまで存在していなかった」(同社)という。新製品では、「業界初」(同社)の内部自己放電検出機能を搭載した。これを使うことで、ユーザーの手に渡った後に発生した漏れ電流をモニタリングし、設定したしきい値を超えるとホストシステムに警告信号を出力すると同時に、電池セルを無効にできる。

内部自己放電の検出機能を搭載したLiイオン/Liポリマー2次電池向け電池残量計ICの応用例(電池パック)
内部自己放電の検出機能を搭載したLiイオン/Liポリマー2次電池向け電池残量計ICの応用例(電池パック)
Maxim Integratedのイメージ
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 2〜4セルのLiイオン/Liポリマー2次電池を直列に接続した電池パックに内蔵して使用する。電池残量計のアルゴリズムには、同社独自の「ModelGauge m5 EZ」を採用した。このアルゴリズムは、充電率(SOC:State Of Charge)の短時間精度の確保にはクーロンカウンターを利用し、長期間の安定性確保には端子電圧の測定値を使った残量計測を使う。このアルゴリズムを採用することで、エネルギー容量が空の状態での電圧の測定誤差を抑えたり、クーロンカウンターの測定ドリフトをなくしたり、経年劣化や放電電流、動作温度の影響を補償したりすることなどが可能になるという。充電率はパーセント(%)表示と電流容量(mAh)表示が可能である。求めた充電率を利用して満充電までの時間や空の状態までの時間、充放電サイクル回数(寿命)を算出したり、同社独自のアルゴリズム「Cycle+」を使って寿命を予測できたりする。充電率の精度は、「競合他社品に比べると40%高められる」(同社)という。スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコン、携帯型ヘルスケア/フィットネス端末、デジタル・スチル・カメラ、アクションカメラ、電動工具、ワイヤレススピーカー、ドローンなどに向ける。

 電池パックの偽造防止に向けて、160ビットの秘密鍵を備えたSHA-256認証機能を搭載した。保護機能として、内部自己放電検出機能のほかに、過電圧保護機能、過充電/過放電/短絡電流保護機能、過熱/低温保護機能などを用意した。4つのサーミスターを使ったダイ温度検出機能を備える。温度検出の誤差は最大±1℃と小さい。待機時の消費電流(自己消費電流)は38μAと少なく、「同様の性能を備える競合他社品と比べると85%減を実現した」(同社)という。パッケージは、実装面積が2.4mm×2.6mmの30端子WLPと、4mm×4mmの24端子TQFNを用意した。動作温度範囲は−40〜+85℃。1000個以上購入時の米国での参考単価は1.55米ドルである。評価キット「MAX17320X2EVKIT#」を用意している。参考単価は89米ドルである。