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 総務省は2020年11月24日、NHKから11月10日に認可申請があったインターネット活用業務実施基準の変更案に対して、「認可することが適当」などとする考え方を公表した。11月25日から12月24日にかけてこの考え方に対する意見募集を実施する。

 今回NHKから申請があった変更案では、インターネット活用業務の実施に要する費用の上限について、「各年度の受信料収入の2.5%を上限とする」から「年額200億円を超えない」に改めるなどの内容が含まれる。

 総務省は、実施基準の認可に関するガイドラインを策定し公表している。このガイドラインに照らす形で、総務省の考え方を示した。ガイドラインでは「受信料財源業務の実施に要する費用の上限が適正かつ明確に定められていること」としている。

 費用の上限の明確性については、「明確に定められていると認められる」とした。費用の上限の適正性については、まず費用の見込み額について検討した。NHKは算定根拠の形で同業務の実施に要する費用を示しており、この金額が2020年度予算より増加することを見込んでいる。この費用増加については、「おおむね一定の合理性がある」という考え方を示した。

 次に、費用の上限について検討した。年額200億円と2021年度から2023年度までの実施に要する費用の見込み額(189億円から192億円)との差額について、「不適切とまでは言えない」とした。併せて、この期間に費用が見通し総額を上回った場合に、「当該年度の実施計画・業務報告書などその旨および理由を明らかとすること」を求めた。

 今回の総務省の考え方では、NHKが2020年9月15日に公表し経営委員会を通じて意見募集を実施した素案(今回の変更案の元となった案)について、脚注の形ではあるが放送法やそのガイドライン(審査基準)に反するものだったと指摘した。具体的には、「費用の上限が定められていないのはガイドラインに反する」「総務大臣の認可の対象であるインターネット活用業務の実施基準ではなく、総務大臣の認可の対象外である中期経営計画に費用上限を記載するとしていたのは、総務大臣認可の趣旨を潜脱する」の2点である。総務省は、NHKに対して今後、放送法などの趣旨を十分踏まえた案を示すよう留意することを求めた。

 NHKがインターネット活用業務実施基準の変更を認可申請するのは2019年に続き2年連続である。2019年の認可申請時に総務省は「認可申請の取り扱いに関する基本的考え方」を11月8日に公表した。この中で「一時的に発生する東京五輪大会に関する業務の費用を除き、受信料収入の2.5%を維持すること」「常時同時配信などについては費用の上限の範囲内で段階的に実施して、その費用および効果を検証し、改めて意見募集を実施した上で、必要に応じ実施基準を見直していくことが望ましい」などの考え方を示し、NHKは申請内容の変更を行った。あれから1年しかたっていないが、上限2.5%を維持すべきという考え方は変わった形だ。