JR東日本は、新幹線「E7系」車両を使用して自動列車運転装置(Automatic Train Operation:ATO)を試験する(図1)。併せて、この試験環境を利用してローカル5Gの試験も実施。鉄道における5Gの活用の可能性を検証する。試験期間は2021年10〜11月ごろを予定している。

図1:走行試験に使用する新幹線「E7系」車両
図1:走行試験に使用する新幹線「E7系」車両
(出所:JR東日本)
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 まず、E7系1編成(12両)を用いて、新潟駅〜新潟新幹線車両センター間の約5kmで自動運転試験を実施する(図2)。これによってATOの機能として[1]列車の準備が整うのを条件に、遠隔から発車させること、[2]ATOが自動で列車を加速/減速させること、[3]決められた位置に自動で停車できること、[4]緊急時に遠隔から列車を止められることを検証する。

図2:走行試験のイメージ
図2:走行試験のイメージ
(出所:JR東日本)
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 これらを通してATOを評価するとともに課題を抽出。新幹線の自動運転を実現させるのに必要な技術と知見を蓄積し、ATOの開発を進める。

 ローカル5G環境を構築して高精細映像をリアルタイムに伝送する技術なども試験する(図3)。沿線に基地局を設置して走行中の回送列車との伝送試験を実施し、大容量・低遅延通信が可能かといった鉄道環境での5Gの性能を確認する計画だ。

図3:ローカル5G試験のイメージ
図3:ローカル5G試験のイメージ
(出所:JR東日本)
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 同社が開発中のATOは、運転士による運転を支援する一般的な自動運転に加えて、列車の遅れや急遽の徐行など、その時々の運行条件の下で最適な運転を実現するのが特徴。列車の衝突や速度超過を防ぐ自動列車制御装置(Automatic Train Control:ATC)が許容する速度以下で、列車の加速/減速、定位置停止制御などを実行する。同社は18年12月〜19年4月、山手線の「E235系」車両で走行試験を実施し、20年度末には常磐線(各駅停車)にATOを導入すると発表している。