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 北菱電興(金沢市)とNTTドコモ(以下、ドコモ)、金沢工業大学(以下、KIT)は、電子機器を製造する北菱電興のいなほ工場(金沢市)に5G環境を構築した。3者は同工場を「Smart Smile Factory」と位置付け、5Gを活用して生産の効率化と従業員のモチベーション向上を図る。

図1:「遠隔MR会議」(左)と「バーチャル工場見学」(右)のイメージ
図1:「遠隔MR会議」(左)と「バーチャル工場見学」(右)のイメージ
(出所:北菱電興・NTTドコモ・金沢工業大学)
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 今回のプロジェクトでは、同工場でドコモが5Gエリアを整備するとともに、ソリューションと技術を提供。北菱電興がそれらを実装し、まず「遠隔MR会議」と「バーチャル工場見学」の2つの機能を実用化した(図1)。

 前者では、MR(複合現実)空間で設計図などの3Dデータを共有し、離れた場所にいる従業員同士が顔を見ながら話せるようにしてコミュニケーションを活性化させる。従来に比べて、工場の製造担当者と別拠点の設計担当者の意思疎通が図りやすくなるという。後者では、遠隔操縦ロボットの視界を5Gで伝送し、工場外から視察できるようにする。これによって同工場に製品を発注した企業の担当者は自社のオフィスなどから品質を確認でき、工場と発注元企業の円滑なコミュニケーションが可能になる。

 同工場では「“人”中心のDX(デジタルトランスフォーメーション)」をコンセプトとして、生産設備・機械を効率化させるデジタル技術「Smart」を駆使して、関わる全ての人の「Smile」を実現する目標を掲げている(図2)。その背景にあるのは、製造現場における人手不足が従業員の負担の増大や孤独感につながり、それがさらなる離職を招いているという指摘だ。その解決策として3者は、3カ年のロードマップを策定(図3)。SmartとSmileの両面から各種機能を実装し、従業員が物理的・心理的に働きやすい工場を目指す。

図2:「“人”中心のDX」のイメージ
図2:「“人”中心のDX」のイメージ
(出所:北菱電興・NTTドコモ・金沢工業大学)
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図3:3カ年ロードマップ
図3:3カ年ロードマップ
(出所:北菱電興・NTTドコモ・金沢工業大学)
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 今回実用化した2つはSmileの機能で、これによって従業員のモチベーションを高める。今後は、SmileとSmartの両方で機能を充実させる計画だ。2021年度以降、Smartの観点で「多視点による製造フロアの一元遠隔モニタリング」に、Smileの観点で「常時映像接続による拠点間交流空間の整備」に、2022年度以降はSmartの観点で「無線での製造ライン構築」などに取り組む。さらに、KITを中心にSmartとSmileを融合させた新たな教育プログラムを作成し、それを利用した人材育成を展開していく。