Intelは、FPGAをMPU(マイクロプロセッサー)のアクセラレーターとして開発するためのソリューション(FPGAボードなどのハードウエアと、MPU上で稼働するソフトウエアのセット)として、新たに「Intel Open FPGA Stack(Intel OFS)」を発表した(ニュースリリース)。OFSは、既存のソリューション「Intel Acceleration Stack」*1の強化拡張版である。
日本法人のインテルによれば、例えば、既存のAcceleration Stackは、Intel製FPGAボード「Intel Programmable Acceleration Card(PAC)」を使うことが前提だったが、OFSはサードパーティーのFPGAボードや、顧客(機器メーカーなど)が自ら開発したFPGAボード(回路)にも適用可能になった。「IA(Intel Architecture)のMPUをIntelのFPGAでアクセラレーションするすべての開発に使えるソリューションとなった」(インテル)。
また、FPGAシェル(FPGAチップのうち、内部ロジックアレーを除いた部分。外部インターフェースや電源回路、ハード・タイプ・マクロとして集積するロジック回路など)へのアクセスが容易になった。例えば、シェルと内部ロジックアレーのインターフェースをIntelの独自バスから業界標準のAMBA AXIに変更した。シェルのソースコードへのアクセスの際に、コードを見やすくして、カスタマイズを容易にしたという。
OFSの早期アクセスプログラムはすでに開始しており、OFS対応のサードパーティー製FPGAボードの第1弾として、イスラエルSilicomは「Silicom FPGA SmartNIC N5010」を発表している。このボードはIntelとSilicomが共同開発したもので、Ethernetのネットワークインターフェースとして稼働する(ニュースリリース)。4個の「Stratix 10 DX」FPGAと「Intel Ethernet 800 Series」アダプターなどから成る。
また、Intel自身のFPGAボード(Intel PAC)のOFS対応も進める。まず、「Stratix 10 SX」を搭載した「Intel PAC D5005」*2をOFS対応に改良する。その後、SX以外のStratix 10 FPGAを搭載したFPGAボードやAgilexを搭載したFPGAボードが登場するようだ。