アリババクラウド・ジャパンサービスは2020年11月25日、中国のEC(電子商取引)市場で大規模セールが開催される11月11日の「独身の日」に関する報道関係者向けセミナーを開いた。アリババクラウドでは主要システムの8割程度をコンテナで構築し、「Tmall」などアリババ集団傘下のECサイトで発生する大量の注文を処理したという。
2020年の独身の日におけるアリババ集団傘下のECサイトの流通総額は4982億元(7兆7200億円)、ピーク時の1秒当たりの注文件数は58万3000件に上った。流通総額、1秒当たり注文件数とも年々増加傾向にあり、アリババクラウドでは毎年独身の日に備えてECシステムの改良を続けている。
2019年の独身の日に向けては、ECシステムを全面的にクラウドへ移行した。続いて2020年の独身の日では、主要なECシステムの約8割をコンテナで構築。これにより個々のサーバーの演算性能をまんべんなく使用しやすくなり、ピーク時の処理性能向上を図れたとする。
併せてアリババクラウドは、EC各店舗向けにアバター機能を提供。商品紹介のライブストリーミングや問い合わせ対応のチャットボット、音声認識・音声合成の各機能と組み合わせ、店舗運営者が手間をかけることなく終日にわたりEC店舗内でプロモーションできるようにした。
さらに、ライブコマースを展開するEC各店舗向けには人工知能(AI)による自動翻訳機能を提供。出演者が話す中国語をリアルタイムで各国の言語に翻訳して字幕を付けたり、中国の地方都市出身者のなまりを認識して標準中国語の字幕を表示したりすることで、販売活動を支援したとしている。