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日本語環境で利用できるLinuxディストリビューションの開発企業として1990年代後半から2000年代前半にかけて一世を風靡したターボリナックスを設立したクリフ・ミラー氏。IT業界にも顔が広いミラー氏だが、別業界に身を置いている。なぜ表舞台から去ったのか。現在は米ハワイに住むミラー氏に聞いた。

クリフ・ミラー氏(Cliff Miller、栗富 実良)
クリフ・ミラー氏(Cliff Miller、栗富 実良)
言語学とコンピュータサイエンスを専攻。1992年にターボリナックス(旧パシフィック・ハイテック)を設立し、Linuxビジネスに取り組む。2000年、マウンテンビューデータを起業。データセンター向けのデータストレージソフトウエアやサーバー管理ソフトウエア「PowerCockpit」を開発・販売した。1980年代に言語学の専門家として米ゼロックスの多言語ワードプロセッサーの開発に取り組んだ。1989~90年には米国電子協会のフェローとして富士通・川崎研究所で自然言語処理を研究。13歳から約2年間、愛知県豊橋市で日本の家庭にホームステイ。米国で大学を卒業した後、佐賀医科大学(現:佐賀大学)と中国の浙江大学で教鞭を取る。日本語、中国語、マケドニア語を流暢に使いこなす。著書に「LINUX革命」(ソフトバンクパブリッシング)など。現在はハワイに在住し、オーディオブック会社トゥルーレイクを経営する(写真:クリフ・ミラー氏提供)
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日本でミラーさんのお名前を見ることがなくなりました。今は何をしているのですか。

 今はハワイに住んでいて、オーディオブックの会社トゥルーレイク(TrueLake)を立ち上げています。パソコンやスマートフォンなどで聞く本です。小説が多いけどビジネス系もあります。個人だけでなく、4万の図書館、学校や団体などへのチャネルを持っています。中国語、英語を中心に世界で数百冊提供しています。

ミラー氏の会社トゥルーレイクが手がけるオーディオブックの代表作。著名作家のダン・ブラウンやスティーヴン・キング、台湾の高楊などの作品、中国の歴史名作などを手がけている
ミラー氏の会社トゥルーレイクが手がけるオーディオブックの代表作。著名作家のダン・ブラウンやスティーヴン・キング、台湾の高楊などの作品、中国の歴史名作などを手がけている
(出所:トゥルーレイク)
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 市場としては中国や世界各地の華僑にフォーカスしています。コンテンツとしてはアメリカの作家スティーブン・キングのホラー小説の「IT(イット)」があります。ITは映画にもなっています。ライセンスを取得して中国語版のオーディオブックを作っています。ダヴィンチコードで有名なダン・ブラウンの作品のオーディオブックも手がけています。このほか中国本土の人気の作者の作品もあります。日本の落語(評書「ピンシュー」という)にあたるものも多く手がけています。

なぜオーディオブックを新たなビジネスに選んだのですか?

 2013年にリタイアしたのですが、それから小説を書きだしました。英語と日本語、そして中国語も出しました。これを中国で出版したいと思ったのですが、どうマーケティングしていくのかと考えたとき、オーディオブックがいいと思いついたのです。

 オーディオブックの販売プラットフォームに乗せることで売っていくことができるのではないかと。市場としても大きくなるのではないかと思いました。これまで忙しくてできなかったのですが、今ならできる。オーディオブックだけでなく、電子書籍やビデオも手がけています。