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 日本取引所グループ(JPX)は2020年11月30日夕方に記者会見を開き、JPX傘下の東京証券取引所の宮原幸一郎社長が同日付で辞任すると発表した。宮原社長はJPXの代表執行役グループCo-COOも同日に辞任する。10月1日に起きた大規模システム障害で売買を終日停止した責任を取る。

 JPXの清田瞭代表執行役グループCEOは4カ月の月額報酬50%減額の上で留任し、東証の社長を暫定的に兼務する。JPXの横山隆介常務執行役CIOは4カ月の月額報酬20%減額、東証の川井洋毅執行役員は4カ月の月額報酬10%減額処分とした。金融庁は同日午後、JPXと東証に対し金融商品取引法に基づく業務改善命令を出し、責任の所在の明確化を求めていた。

会見冒頭で謝罪をするJPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)
会見冒頭で謝罪をするJPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)
撮影:日経クロステック
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 会見冒頭で清田CEOは「業務改善命令をグループとして真摯かつ厳粛に受け止め、再びこのような事態がないよう再発防止に全力を尽くす」と述べた。

 清田CEOが東証の社長を兼務するのは「暫定的」とした(同)。宮原社長の辞任については、業務改善命令を受けて「本人から辞任の申し入れがあり、受領した」(清田CEO)。清田CEOは「後を引き継いで、グループ全体で責任を持って再発防止策の徹底と信頼の回復に努める」とした。

 10月1日に発生した大規模システム障害では、株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」の複数のサブシステムが共通で使う銘柄やユーザー情報などを格納するNAS(Network Attached Storage)のハードウエア故障時にバックアップへ切り替えができず、株式や上場投資信託(ETF)の売買を停止。その後システム復旧が可能な状態となったが、障害発生時に売買を再開する手順やルールが明確化されておらず、終日売買取引停止となった。

 これまでに金融庁は同法に基づく報告徴求命令を出し、原因分析や売買停止や取引再開のルールの明確化を求めていたほか、10月23日から立ち入り検査し原因や内部管理体制などを調べていた。


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