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 「NECが取り組むべき課題はグローバルでの成長である。その課題解決に最もふさわしい人物が森田新社長だ」。

 NECの新野隆社長は2020年11月30日、オンラインで開いた記者会見で次期社長に森田隆之副社長兼CFO(財務最高責任者)を指名した理由をこう説明した。記者会見での主な一問一答は以下の通り。

会見で質疑に答える新野隆社長(左)と次期社長に内定した森田隆之副社長兼CFO(財務最高責任者)
会見で質疑に答える新野隆社長(左)と次期社長に内定した森田隆之副社長兼CFO(財務最高責任者)
(出所:NEC)
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5GやAI、デジタルガバメントに注力

NECが抱える現在の課題と、森田新社長に期待していることは何か。

新野氏: 現在の中期経営計画(2018~2020年度の3カ年計画)により国内事業はそこそこのレベルに達したが、これからはグローバルでの成長が必要だ。現在策定を進めている次の中経では5G(第5世代移動通信システム)やデジタルガバメント、デジタルファイナンス、AI(人工知能)などの領域にフォーカスしてグローバルでの成長戦略を詰めている。

 これまで海外で買収してきた会社を核に、いかにグローバルで成長するかが当社最大の課題である。森田新社長はその課題を解決するのに最もふさわしい人物だと思っている。

森田新社長はどのような領域でM&A(合併・買収)を進めていく考えか。富士通など競合他社に対してグローバル戦略でどう違いを出していくのか。

森田氏: グローバルでは富士通などの日本企業だけが競合ではない。我々が競争すべき領域にフォーカスして、(その領域での)世界的な競合と戦って優位性を出していく。

 具体的には、NECが研究開発で培ってきたAI(人工知能)やネットワーク、バイオメトリクスなどの要素技術と、これらの技術が生かせるデジタルガバメント、デジタルファイナンス、5Gの領域だ。

 M&Aは特別なものでなく、事業における手段の1つと考えるべきだ。NECの場合、強い事業領域を立ち上げるために「スピード」を買う意味で有効だと思う。

 一方でM&Aは我々の都合だけでうまく行くものではない。アベイラブル(現実的な条件)か、アクショナブル(事業上の次の行動などにつながる)か、適切な価格で買えるか、(買収先の)人や文化がNECに合うかなど、条件を総合的に判断してM&Aを進めていく。

副会長職を20年ぶりに復活

新しい経営体制では、遠藤信博会長と副会長に就任予定の新野氏、森田新社長の3人はどう役割を分担するのか。

新野氏: 遠藤会長は業務執行には携わらない取締役議長としての役割に加えて、対外活動などの重要なミッションがある(本誌注:遠藤会長は代表権を持たない)。遠藤会長はこれまで通り非業務執行側の立場として、私は代表権を持った副会長として、森田新社長を支えていく。

 次期中経を成功に導き、スムーズに経営体制を移行させるには様々な領域で森田新社長へのバックアップが必要だ。特に森田新社長はグローバル戦略に相当の時間を費やす必要がある。(これまで社長が務めてきた)国内販売店への対応などに全ての時間を割けない恐れもあり、森田新社長を新しい体制でサポートしていく。(3人による)この経営体制は1年くらい必要だと思っている。

 NECでは20年前にも副会長職があった。(副会長職の復活は)私が提案し、森田新社長の人事案も含めて指名・報酬委員会に諮り、承認された。