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 日本最西端の島である沖縄県与那国町で、全島民約1700人を対象としたオンライン診療の実証事業が2020年12月16日から始まる。発熱した患者についてオンライン診療を活用することで、離島の医療体制の維持と受診控えを防ぐ。沖縄セルラー電話とメドレーがオンライン診療の実証事業のサポートを担い、2021年2月28日まで実施する。2020年12月9日、実証事業に関する記者会見が沖縄で開催された。

会見の様子(左からメドレー代表取締役医師の豊田剛一郎氏、与那国町長の外間守吉氏、沖縄セルラー電話副社長の菅隆志氏、奥:与那国町診療所所長の医師である崎原永作氏)
会見の様子(左からメドレー代表取締役医師の豊田剛一郎氏、与那国町長の外間守吉氏、沖縄セルラー電話副社長の菅隆志氏、奥:与那国町診療所所長の医師である崎原永作氏)
(出所:メドレー)
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 島で唯一の医療機関である与那国町診療所では、医師1人が全島民の診療を担っている。オンライン診療を活用することで、医療従事者の新型コロナウイルスへの感染防止と、高齢患者の受診控えの課題に対応する。受診控えは疾患の重症化につながる可能性がある。今回、新型コロナの感染拡大により、初診からのオンライン診療が時限的に認められたことを受けて実証事業を実施する。

 与那国町でも新型コロナの患者が発生している。「感染の不安から基礎疾患がある高齢者の受診控えが続出している。不安を取り除くことが重要だ」とオンラインで会見に参加した与那国町診療所所長の医師である崎原永作氏は説明する。診療所は発熱患者を専用に診療するテントを張り、他の患者との動線を分ける策を講じたが、島民の不安が解消されず受診控えが続いている。今回、発熱した患者がオンライン診療を受けられる状況を作ることで、一般外来と発熱外来をより分けやすくする。

 実証事業ではメドレーのオンライン診療システム「CLINICS」を利用する。島民は主にスマホのアプリを利用してオンライン診療を受ける。他にも、沖縄セルラー電話が役場や消防、社会福祉協議会にタブレット端末を提供。緊急時には担当者が患者の自宅に駆けつけ、タブレット端末を利用してオンライン診療を受けられる仕組みを整える。

 今後沖縄セルラー電話とメドレーは島民向けにオンライン診療の体験会を開催し、アプリのダウンロードや実際の使い方について島民に広く認知してもらう。沖縄セルラー電話副社長の菅隆志氏は「沖縄には人が住んでいる島が47あるが、そのうち診療所がある島は19に限られる。離島の医療課題を重く受け止めており、今回の実証事業で有用性を確認できれば診療所のない島にも展開することを検討したい」と話した。