東芝デバイス&ストレージは、車載電子スロットル制御用ブラシ付きモーターなどに向けて、2チャネル出力のHブリッジ・モーター・ドライバーICを2製品発売した(ニュースリリース)。同様な製品において、1ダイ(1チップ)で2チャネル出力が可能なのは「今回が初めて」(同社)という。2つの新製品は同じ機能でパッケージが異なる。高放熱性の40ピンPower QFNパッケージに封止した「TB9053FTG」と、ウェッタブルフランク構造の40ピンVQFNパッケージに封止した「TB9054FTG」である。
同社の羽倉淳一郎氏(システムデバイスマーケティングセンター システムデバイスマーケティング第三部(車載担当) 部長)によれば、同社は様々な車載モーターに向けてドライバーIC事業を1980年代から連綿と続けており、現在も市場トレンドに沿って新製品を開発している。今回発表の新製品は、エンジンのスロットルバルブ制御などを狙ったもので、出力電流が最大10Aのブラシ付きモーター制御ICである。
羽倉氏によれば、電子スロットルや各種バブル向けのECU(Electronic Control Unit)では、小型化やコストダウンの要求が強い。また、2022年以降、車載式故障診断装置(OBD II)の搭載が 義務化されることから、SPI通信機能が必須となるため、その対応が求められているという。こうした市場要求に応えようと、既存の「TB9051FTG」*をベースに開発したのが、今回の新製品のTB9053FTGとTB9054FTGである。TB9051FTGは5Aの出力が1チャネルだけだったが、2つの新製品は1つのダイで5A出力を2チャネル備える。高放熱性パッケージ封止のTB9053FTGは出力2チャネルを並列接続すれば、1チャネルの10A出力ICとしても使える。