日本航空(JAL)とウェザーニューズは2020年12月22日、航空機に揺れをもたらす乱気流の情報を後続機に自動通知するシステムの運用を2021年1月に始めると発表した。これまで口頭やテキストで通知していた乱気流情報をデータで自動通知することにより、後続機はより早期に揺れへ対処しやすくなる。将来的には他社の航空機へ同システムを提供することも検討する。

 JALをはじめとする航空各社は、飛行中の航空機が乱気流に遭遇した場合、直後に操縦室へ備え付けのコンピューターへパイロットが乱気流情報をテキストで入力し、地上の運航管理者へ通知。運航管理者は受け取った乱気流情報を、同じ経路を通過予定の後続機へ通知して回避やシートベルト着用サインの点灯などを促す。乱気流情報は国際民間航空機関(ICAO)の基準に沿ってパイロットが体感した揺れの強さを3段階で示すもので、日本国内の航空各社では6段階に拡張して運用している。

 JALとウェザーニューズが開発したシステムでは、JAL保有のボーイング737型機全機とボーイング767型機の一部に、機体が受ける風の向きや強さのデータを基に気流の乱れを示す「渦消散率」(EDR)を自動算出するオープンソースのソフトウエアを実装した。EDRを現場のパイロットが理解しやすいよう6段階の揺れの強さに換算し、航空機向けの気象情報・運航情報の提供システム「FOSTER-NEXTGEN」へリアルタイムに格納する。併せて、パイロットが手動で入力した乱気流情報のテキストも人工知能(AI)で解析・定量化して同様に格納する。

 揺れの強さが一定のしきい値以上の場合、乱気流の観測時刻と周辺を飛行する航空機の位置情報、各航空機の飛行予定ルートなどを基に、乱気流発生エリアへ入りそうな航空機を自動で割り出し、乱気流情報を通知する。「これまではパイロットや運航管理者が手動で対応していたため数分間のタイムラグが発生する場合があり、通知が間に合わないこともあった。通知をリアルタイムに自動で送るようにすることで、後続機のパイロットが迅速に高度・経路を変更したり、乗客にシートベルト着用を促したりできる」(JALの担当者)としている。