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 パナソニックは、車載向け電源用インダクターの新製品「PCC-M1280MS」を発売した(ニュースリリース)。同社は「パワーチョークコイル」と呼ぶ。新製品では、電力損失を同社従来品の1/2である1.5Wに低減した。一方で耐電圧は、同社従来品の約2倍に当たる+125Vに高めた。外形寸法は12.5mm×12.5mm×8.0mmで、インダクタンス値は40μH(100kHzにおける値)。定格電流は5.9Aと大きい。

電力損失が同社従来品の1/2の1.5Wと低い電源用インダクター
電力損失が同社従来品の1/2の1.5Wと低い電源用インダクター
パナソニックのイメージ
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 ガソリン車やディーゼル車、ハイブリッド車などに搭載するECU(Electronic Control Unit)の昇圧型DC-DCコンバーター回路に向ける。同社によると、「現在、環境規制が強化されているため、自動車のエンジンではより厳しい排ガス規制への対応が必要になっている。具体的には、エンジンのシリンダー内に高圧で燃料を直接噴射する直噴噴射方式のインジェクションの高圧化や、多段噴射化などが当たり前になっており、これに伴ってインジェクターを駆動する昇圧回路では、大容量化と昇圧復帰時間の短縮が求められる。このため、昇圧回路に用いる電源用インダクターには、低損失化と高耐電化が同時に必要になっている」という。新製品では、メタルコンポジット材料(金属系複合磁性材料)を新たに開発することで低損失化と高耐電化の両方を図った。同社によると、「開発したメタルコンポジット材料の電力損失は業界最小」という。

 新製品では、成形方法を工夫することなどで、小型化と耐振性の向上も図った。成形方法の工夫の詳細は明らかにしていないが、コイルの周囲に磁性材料を均一に成形することが可能になったという。この結果、同社従来品に比べると体積を40%削減できた。「ECUの省スペース化に貢献する」(同社)。

 耐振性の向上については、成形方法の工夫に加えてコイル構造を改良し、コイルからの端子引き出し位置の高さを従来に比べて1/2に下げることで実現した。最大で30g(gは重力加速度)の振動に耐えられる。「端子引き出し位置をプリント基板に近づけることで、高い耐振性を得られた。この結果、ECUの実装工程において、ボンディング(接着)剤を使って耐振補強をする作業が不要になり、実装工程を簡略化できる」(同社)という。

従来品と新製品の構造
従来品と新製品の構造
パナソニックの資料
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 新製品の量産は2021年2月に開始する予定である。価格は明らかにしていない。