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 伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、GaN FETなどを搭載したモジュールの新製品「MASTERGAN2」を発売した(ニュースリリース)。小型ACアダプターや小型充電器で盛んに採用されている回路トポロジー「アクティブ・クランプ・フライバック方式」のAC-DCコンバーター回路に向ける。アクティブ・クランプ・フライバック方式は、変換効率の改善や小型軽量化を図れることが特徴である。

2個のGaN FETと駆動ICを収めたモジュール
2個のGaN FETと駆動ICを収めたモジュール
STMicroelectronicsのイメージ
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 新製品のモジュールはSiP(System in Package)で、2個のGaNトランジスタ(FET)で構成したハーフブリッジ回路と、それらを駆動するSiゲートドライバーICを収める。2個のGaN FETは特性が異なっており、いわゆる非対称(asymmetric)型のハーフブリッジ回路を構成する。新製品を採用することで、スイッチング動作のオフ期間に発生する励磁電流による電力損失を低減できるため、変換効率を高められる。

 なお同社は2020年10月に、特性が同じGaNトランジスタ2個で構成した対称(symmetric)型ハーフブリッジ回路とSiゲートドライバーICが入ったGaNモジュール「MASTERGAN1」を発売している*。こちらの対称型の製品は、LLC共振方式や位相シフトフルブリッジ方式などの回路トポロジーを採用したAC-DCコンバーター回路に適している。

 新製品に搭載された2つのGaNトランジスタはどちらも、ノーマリーオフを実現したエンハンストモードGaN HEMTだが、上述したように特性が異なる。オン抵抗はハイサイドのGaNトランジスタが225mΩ(標準値)で、ローサイドのGaNトランジスタは150mΩ(標準値)である。全ゲート電荷量はハイサイドが1.5nC(標準値)、ローサイドが2nC(標準値)。最大ドレイン電流はハイサイドが6.5A、ローサイドが10A。出力容量はハイサイドが14.2pF(標準値)、ローサイドが20pF(標準値)である。逆回復電荷量(QRR)はハイサイドとローサイドどちらもゼロである。ロジック信号入力の電圧振幅は+3.3〜15V。ブートストラップダイオードを内蔵した。ハイサイドスイッチとローサイドスイッチそれぞれに低電圧ロックアウト(UVLO)機能や、クロスコンダクションを避けるインターロッキング機能、過熱保護機能などを備える。

新製品の内部ブロック図
新製品の内部ブロック図
STMicroelectronicsの資料
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 パッケージは、外形寸法が9mm×9mm×1mmの31端子QFN。動作温度範囲は−40〜+125℃である。すでに量産を始めている。1000個購入時の参考単価は6.50米ドルからである。