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 ルネサス エレクトロニクスは、産業用Linux機器に向けたマイクロプロセッサー(MPU)「RZ/Gシリーズ」の新製品「RZ/G2Lグループ」を発売した(ニュースリリース)。2019年2月に発売の「RZ/G2グループ」*の下位製品で、同社はエントリークラスの製品と位置付けている。「新製品を使うことで、産業用HMI(Human Machine Interface)機器におけるマルチメディア処理やGUI描画、AI画像処理などの機能を、コスト効率よく実現できる」(同社)とする。

新製品と応用先のイメージ
新製品と応用先のイメージ
(出所:ルネサス)
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 新製品のRZ/G2LグループはCPUコアとして、「Arm Cortex-A55」を集積する。Cortex-A5xコアの中ではよく使われている「Arm Cortex-A53」に比べて、「新製品に集積したCortex-A55は処理性能が20%高く、AIに必要な処理を約6倍高速に実行できる」(ルネサス)。また、マルチメディア処理やGUI描画、AI画像処理などに向けて、カメラ入力処理回路や3Dグラフィックス処理回路、ビデオコーデックなどの周辺回路を集積する。さらに、サブCPUコアとして「Arm Cortex-M33」を集積したことで、センサーデータの収集などのリアルタイム処理が外付けのマイコンなしで行えるため、システム全体のコストを低減できるという。

新製品「RZ/G2L」の機能ブロック図
新製品「RZ/G2L」の機能ブロック図
(出所:ルネサス)
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 RZ/G2Lグループは3製品からなる。「RZ/G2L」、「RZ/G2LC」、「RZ/G2UL」である。これらの違いは集積したCPUコアや周辺回路にある。下図のように、ハイエンドのRZ/G2L DualはCortex-A55(動作周波数は最大1.2GHz)を2個、Cortex-M33を1個(動作周波数は最大200MHz)、GPUコア「Arm Mali-G31」、H.264対応のビデオコーデックを集積する。このほかRZ/G2L DualにはECC付きのL3キャッシュを256Kバイト、ECC付きのSRAMを128Kバイト、8チャネル入力の12ビットA-D変換器、ECC付きでDDR4/DDR3L型DRAM対応の外部メモリーインターフェースなどが集積されている。パッケージは製品によって異なり、21mm角で551ボールのBGA、15mm角で456ボールのBGA、13mm角で361ボールのBGAである。

既存のRZ/G2グループ(上)と新製品のRZ/G2Lグループ(下)に集積する主な回路
既存のRZ/G2グループ(上)と新製品のRZ/G2Lグループ(下)に集積する主な回路
(出所:ルネサス)
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 現在、新製品はサンプル出荷中。21年8月以降に順次、量産を開始する。ルネサスは新製品のRZ/G2Lグループに最適化したPMIC(Power Management IC)の開発を進めており、21年下期から提供する予定である。また同社は応用開発に向けて、評価ボードを準備中で、現在、予約受付中。なお、評価ボードのリファレンスデザイン(回路図やボード・レイアウト・データ)は、現在も提供可能である。ユースケースにフレキシブルに対応可能な電源回路のリファレンスデザインも提供する。

評価ボードの概要
評価ボードの概要
新製品が載った小さなモジュールボード(SMARC v2.1仕様)とそれを載せるキャリアボードから成る。(出所:ルネサス)
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