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 ルネサス エレクトロニクスは、第5世代移動通信システム(5G)対応のマクロセル基地局(BTS:Base Transceiver Station)に向けて、4種のRF ICを発売した(ニュースリリース)。「新製品を使えば、複数のアンテナを利用するマッシブMIMOシステムに向けたRFボードの実装面積を小型化できる」(同社)。

5Gマクロセル基地局に向けたRF IC
5Gマクロセル基地局に向けたRF IC
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 発売した4種のICの内訳は、クアッドチャネル(4チャネル)の可変利得アンプ(VGA)ICと、デュアルチャネル(2チャネル)の低雑音アンプ(LNA)IC、RFドライバーアンプIC、単極双投(SP2T:Single Pole Double Throw)のRFスイッチICである。可変利得アンプICとドライバーアンプICはRF信号の送信経路に、低雑音アンプICは受信経路で使う。RFスイッチICは、送信経路と受信経路の切り替え用である。4種のICはいずれも、現在、量産出荷中である。価格は明らかにしていない。

「業界初」のクアッドチャネル品

 クアッドチャネルの可変利得アンプICの型番は「F4481/F4482」である。同社によると、「クアッドチャネルの可変利得アンプICの製品化は業界初」という。アンプのほか、デジタル制御のアッテネーター(減衰器)、低域通過フィルター、バランをそれぞれ4個ずつ1チップに集積した。対応する周波数範囲はF4481が400M~1.1GHz、F4482が1.3G~2.8GHz。F4482の特性は以下の通りである。最大利得は28dB(2.1GHzにおける標準値)。利得の制御範囲は31.5dBで、デジタル制御信号を使って0.5dBステップで切り替えられる。雑音指数は5.7dB(2.1GHzにおける標準値)。出力の第3次インターセプトポイント(OIP3)は+34dBm(2.1GHzにおける標準値)である。パッケージは2製品どちらも、実装面積が8mm×8mmの56端子LGAである。

クアッドチャネルの可変利得アンプICの内部ブロック図
クアッドチャネルの可変利得アンプICの内部ブロック図
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 デュアルチャネルの低雑音アンプICの型番は「F0109/F0110/F0111」。対応する周波数範囲はF0109が650M~1GHz、F0110が1.5G~2.3GHz、F0111が2.5G~2.7GHzである。特徴は、雑音指数が低いことだ。2.6GHzにおいて0.55dBと低い。利得は、F0109とF0111が18dB(標準値)、F0110が18.5dB(標準値)。パッケージは3製品いずれも、実装面積が4mm×4mmの16端子VFQFPNである。

 RFドライバーアンプICの型番は「F1471」である。対応する周波数範囲は400M~4.2GHzで、利得は+17dB(標準値)。特徴は直線性(リニアリティー)が高い点にある。例えば、出力の第3次インターセプトポイント(OIP3)は+38dBmで、出力の1dB利得圧縮ポイント(OP1dB)は+28.5dBm(いずれも2.6GHzにおける値)が得られる。パッケージは、実装面積が3mm×3mmの16端子VFQFPNである。

 SP2TのRFスイッチICの型番は「F2934」。50M~6GHzと広い周波数のRF信号を切り替えることが可能だ。最大の特徴は、実装面積が3mm×3mmと小さい16端子VFQFPNパッケージに封止したこと。さらに、RF信号の入出力間のアイソレーション特性が高いことも特徴の1つである。アイソレーション特性は、1G~2GHzにおいて70dB、3GHzにおいて74dB、4GHzにおいて67dBを確保した。