米Apple(アップル)は、近日中に日本で「Apple Watch」の心電図アプリケーションが利用可能になると発表した。iOS 14.4とwatchOS 7.3の配信後に、Apple WatchのSeries 4以降で使えるようになる。
利用者が本体の竜頭(つまみ)に指を当てることで、心臓を通る電気信号を計測し心電図を記録する。計測から30秒後に心房細動、洞調律(正常なリズム)、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類する。
新OSの配信後は、心電図アプリに加えて不規則な心拍の通知機能も使えるようになる。Apple WatchのSeries3以降に内蔵されている光学式心拍センサーを利用し、心房細動の兆候がある心拍を利用者に通知する。
東京都医師会の尾﨑治夫会長は「今後日本で、Apple Watchのこれらの機能が心房細動を早期に発見し、医師との対話、そして治療に結び付けられるような役割を果たしていくことを期待する」とコメントしている。
心電図アプリについては、約600人が参加した臨床試験で機能を検証したという。医療機器で12誘導心電図を計測した結果と、Apple Watchの心電図アプリの計測結果を比較すると、心電図アプリによる心房細動の分類で98.3%の感度、洞調律の分類で99.6%の特異度が示された。
この結果などを基に、今回の機能が厚生労働省から「家庭用心電計プログラム」と「家庭用心拍数モニタプログラム」として承認を取得した。承認はプログラムを対象としており、Apple Watchそのものが医療機器として認められたものではない。