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 米Analog Devices(ADI)は、太陽電池を電源にしたバッテリー充電器(ソーラー充電器)に向けて、電源制御ICの新製品を発売した(ニュースリリース)。ソーラー充電器のほか、バッテリー駆動の産業機器、携帯型の防衛用電子機器、Pb蓄電池向け充電器などでも利用できる。

 新製品には、昇降圧型DC-DCコンバーター制御回路のほか、バッテリー充電回路と最大電力点追従制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)回路などを1チップに集積した。3つの定電流低電圧(CCCV)充電プロファイルを内蔵しているため、「ほとんどの種類の2次電池(バッテリー)を充電できる」(同社)という。具体的には、Liイオン2次電池や密閉式Pb蓄電池(SLA)、液式Pb蓄電池などである。さらに「充電終止を判定するアルゴリズムを搭載したため、ソフトウエアやファームウエアを開発する必要がなく、設計期間を短縮できる」(同社)としている。

新製品によるバッテリー充電器の構成例
新製品によるバッテリー充電器の構成例
Analog Devicesの資料
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 新製品の型番は「LT8491」である。昇降圧型DC-DCコンバーター回路を利用した充電器であるため、入力電圧がバッテリーの充電電圧よりも高い、低い、等しいのいずれの場合でも動作する。入力電圧範囲は+6〜80Vで、バッテリーの充電電圧範囲は+1.3〜80V。昇降圧型DC-DCコンバーター回路を構成するため、4個のスイッチング素子と1個のインダクターなどを外付けする必要がある。充電電流は、使用する外付け部品に依存するが、最大10A。今回の新製品に、同社の別の昇降圧型DC-DCコンバーター制御IC「LT8705」を複数個並列に接続すれば、より多くの充電電流が得られる。スイッチング周波数は100k〜400kHzの範囲で設定可能だ。

 MPPT回路は、太陽電池の出力電圧と出力電流(新製品の入力電圧と入力電流)を常に監視し、最大電力点を自動的に追従しながら、昇降圧型DC-DCコンバーター回路を動作させる。「MPPT回路を使えば、理想的とは言えない動作環境において太陽電池パネルで生成される電力をほぼすべて活用できる」(同社)という。このほか、外付けのサーミスターでバッテリーの温度を測定して充電電圧や充電電流を制御する自動温度補償機能を用意した。外部インターフェースとしてI2Cバスを搭載しており、充電に関する各種パラメーターを設定したり、監視したりすることが可能だ。

 パッケージは、外形寸法が7mm×11mm×0.75mmの64端子QFN。動作接合部温度範囲は−40〜+125℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の参考単価は10.35米ドルである。このほか評価キット「DC2703A-A-KIT」を用意している。