日産自動車は2021年1月27日、50年までに事業活動を含む自動車のライフサイクル全体におけるカーボンニュートラル(炭素中立)を実現する目標を発表した。30年代早期から日本、中国、米国、欧州に投入する新型車をすべて電動車両にする計画である。

 日産の電動パワートレーンの柱は電気自動車(EV)とハイブリッドシステム「e-POWER」の2本。EVのコスト低減に向けて、全固体電池を含む電池技術の刷新を進める。e-POWERに関しては、エネルギー効率を向上させた新システムを開発中という。

 ただし、カーボンニュートラルの実現は、電動パワートレーンの改良だけでは実現しない。自動車の使用時に加えて、原材料の採掘と生産、使用済み車両のリサイクルと再利用など幅広い領域で二酸化炭素(CO2)の排出を削減していく必要がある()。

図 クルマのライフサイクル全体に対策
図 クルマのライフサイクル全体に対策
(出所:日産自動車)
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 生産段階でのCO2削減では、次世代の車両生産コンセプト「ニッサンインテリジェントファクトリー」をはじめとする、車両組み立て時の生産効率を向上させる取り組みを推進する。生産時に使用するエネルギーと材料の選択も見直す。例えばアルミニウム(Al)合金は、リサイクル材の利用を増やす。

 発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーを活用した、分散型発電に貢献する蓄電池システムを開発する。EVに搭載して劣化した電池を電力の貯蔵用に再利用することなどが考えられる。