ドイツVolkswagenグループの部品事業を担うVolkswagen Group Componentsは2021年1月29日、ドイツのザルツギッターに電動車の電池をリサイクルする試験工場を開設したと発表した。廃棄されたLiイオン2次電池から、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)などのレアアースを、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ブラスチックと一緒に工業用資源として回収する。
ザルツギッター工場では、他の用途に再利用できなくなった電池だけをリサイクルする。電池をリサイクルする前に分析し、急速充電ステーションやモバイル充電ロボット(移動式充電装置)などに使える容量が残っている場合はリサイクルしない。
試験工場は、年間最大3600セットの電池システム(電池パック)をリサイクルできるように設計されている。電池システム1個が約400kgとして、年間で約1500トンを処理できる。初期のリサイクル率は電池システムの重さに対して約70%となる。将来は、リサイクル率を90%以上に高めることを目標とする。仮に、62kWhの電池システムを、再生エネルギーを使って100%リサイクルした場合、CO2排出量を1.3トン削減できるという。