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「1gも残さず再利用する」

 電動車で使用済みになった2次電池が大量に返却され始めるのは、早くて2020年代後半とみられている。今後、この試験工場でリサイクル工程を最適化し、将来の大量の電池リサイクル時代に対応できるようにする。これにより、電動車用電池のバリューチェーン全体で持続可能なリサイクルの実現を目指す。

 リサイクル工程には、エネルギーを大量に使う高炉での溶解は使わず、CO2排出量が少ない化学プロセスを中心に採用する。市場で回収された使用済み電池システムは、深放電状態にしてから解体される。個々の部品はシュレッダーで細かく砕き、乾燥する。この工程で、Al、Cu、プラスチックとともにLi、Ni、Mn、Co、グラファイトなど電池の重要な材料を含んだ黒い粉になる。これを水と化学薬品を用いた湿式精錬プロセスで個々の物質に分離する。精錬と分離は外部の専門企業が担当する。

使用エネルギーが少ない湿式化学プロセスが中心
使用エネルギーが少ない湿式化学プロセスが中心
(写真:Volkswagen Group Components)
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 Volkswagen Group Componentsの取締役会長Thomas Schmall氏は、「こうした処理により、使用済み電池から得られたリサイクル材料を使って新しい電極の製造が可能だ。リサイクル材料は新規材料と同等の性能を出すことが分かっている。将来的に電動車向け電池の需要が増えると、原材料の需要は大幅に増加する。そのため、リサイクル材料を1gも残さず有効に活用することが重要だ」とした。

来るべき大量リサイクル時代に備える
来るべき大量リサイクル時代に備える
(写真:Volkswagen Group Components)
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